中国に「リスクマネジメント」という言葉は存在しない。トップの責任が問われようものなら真相にフタをされる。2011年の高速列車追突事故では、事故車両が深い穴底に放り込まれた。このたび天津で発生した大規模爆発もそうだ。共産党の都合次第で事実はいくらでもねじ曲げられる。中国経済発展の象徴、リニアモーターカーでも、恐ろしい事態が起きていた。
まずは写真をみてほしい。これは7月某日、営業運転中の上海リニアモーターカーの運転席を撮影したものである。
亀裂が入っているのは、運転席のフロントガラスである。鳥などの飛行物が不意に接触した場合、こうした罅が入ることは「日本の鉄道列車でも起こりえる」(鉄道関係者)。
しかし、異変が発見された場合、当然ながら緊急メンテナンスの対応がとられる。ここ上海では安全上、問題あるとは思われてはいないのだろうか。フロントガラスの異変に何の注意を払うことなく、20代後半と思しき女性乗務員は、手元のiPhoneに興じていた。それも走行中ずっと。