財務A:9月26日から総理は国連総会のために訪米するけど、その直前のシルバーウィーク期間中に政府専用機にフライトの準備が命じられているという話を耳にした。それは岸田大臣が乗るのかな。
いずれにしても、日朝、日中、日露ともに外交交渉が失敗しているのは明らかで、トップの次官が責任を問われないなら、誰かが責任を負わされることになる。
経産B:外務省は外交の失敗で責任を取ったことがない役所じゃないか(笑い)。
財務A:これまでは責任を取らずに済んだ。でも、政治任用になるとそうはいかない。役人の誰かをスケープゴートにしないと、官邸の任命責任が問われる。新国立競技場の建て替え問題でも、官邸は下村博文・文科相の責任を回避するためにスポーツ・青少年局長に詰め腹を切らせた。
──外務省のスケープゴートは誰になる?
経産B:かわいそうなのは「次の次官候補」のままお預けとなっている杉山晋輔・外務審議官。韓国との関係改善を担当していたが、進展がない。北方領土交渉をあきらめていない官邸から、ロシアのほうに力を入れるように命じられたらしいね。国連総会、APEC、G20と続く年内の国際会議のどこかに合わせて日露首脳会談がセットできるのか。これじゃあ谷内さんの尻ぬぐいだけど、うまくいかなければ次官の目はなくなる。局長、課長クラスも戦々恐々じゃないの。
文科D:次官の代わりに下が責任を取らされるのでは、外務官僚たちが海外赴任に逃げ出したくなるのも無理はないですね。
●司会・レポート/武冨薫(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2015年9月18日号