国際情報

在韓日本人「大使館がみすぼらしいからデモやられる」と不満

 長年、懸案になっていた在ソウル日本大使館の建て直しが7月から始まった。今から半世紀近く前の1970年に建てられた現在のものを壊し、新しい建物になる。完成は5年後の2020年の予定だ。すでに裏に隣接したビジネスビルに間借りし業務を始めているが、近年、反日デモの拠点として内外で話題の大使館前の“無許可慰安婦記念像”の行方が注目されている。

 像を勝手に建てた「挺対協(挺身隊問題対策協議会)」など反日団体は今後5年間、「日本」が見えない工事現場に向かって反日を叫び続けるのか。それともまた不法を承知で、ビジネスビルの前に像を移すのか。

 元慰安婦は韓国では今や反日愛国のシンボルとして“崇高な名士”に仕立てられている。日本大使館関係者たちは「この際、慰安婦像はいっそのこと光化門広場に移してはどうなの」と皮肉っている。

 古宮・景福宮前の光化門広場には中世、日本水軍を打ち破った李舜臣と、ハングル制定の世宗大王という愛国英雄の銅像がふたつドーンと建ち、観光名所になっている。“愛国英雄”として内外で活躍させられている元慰安婦も、この広場にこそふさわしいのではという皮肉だ。

 ところでソウル都心の日本大使館の近くには景福宮や韓国政府の総合庁舎、外務省、米国大使館などがある。景福宮の後ろには大統領官邸(青瓦台)もあるから、いわば韓国の国家機関が集まる韓国中枢部に位置していることになる。

 ただ、光化門広場に面し、大通りにあって総合庁舎や外務省の真向かいで韓国政府にニラミ(?)を利かしているような米大使館とは違って、日本大使館は裏通りにひっそり隠れて(?)いる。これは当初、大使館を建てる際、反日の標的になることを避けるためだった。正面の通りも往復2車線ぎりぎりと狭い。いざという時の警備を考えてのことだった。

 ところが韓国は「反日無罪」で日本に対しては何でもやり放題の国。「法治」より「放置国家」なため大使館は受難史が続いた。1974年、在日韓国人の狙撃事件で大統領夫人が死亡した際の反日では、デモ隊に乱入され日本国旗を引き摺り下ろされている。海外の外交機関の受難としては、後のペルーでの人質・占拠事件とともに最大級である。

関連キーワード

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト