カンヌ、ベルリンと並び、世界3大映画際と呼ばれるベネツィア国際映画祭が9月2日開幕した。現地でとりわけ惜しみない賛辞が上がっていたのはジョニー・デップ(52才)。主演した作品は『ブラック・スキャンダル』だ。薄毛のオールバックにサングラス、そして革ジャンという、ぱっと見、彼とはわからないビジュアルで、FBI史上最高の懸賞金がかけられた裏社会の首領を熱演した。
その彼の会見に世界中の記者たちが駆けつけたのだが、ジョニーが壇上からひとりの日本人女性を見つけて、「ハーイ、ユキ!」と声をかけ、現場は騒然となった。
彼女は『女性セブン』でもおなじみのジャーナリスト・佐藤友紀さん。ジョニーとの出会いは、1994年に彼が映画『デッドマン』で参加した映画祭のとき。それ以来、「インタビューは友紀に来てほしい」とご指名を受けることもある。そんな佐藤さんがこの秋、映画館で見るべき作品を教えてくれた。
ひとつめは『アクトレス~女たちの舞台』(10月24日公開)。
「この秋の私のいちばん!」と佐藤さんがおすすめするのが、フランスの大女優、ジュリエット・ビノシュ(51才)主演で昨年のカンヌでも話題になった同作。かつて一世を風靡した大女優の孤独と葛藤、そして美しさを描く物語だ。
「ジュリエット演じる大女優と若手女優の対比がおもしろいんです。彼女の座を狙う女優とのやり合いに、クリステン・スチュワート(25才)演じるアシスタントと年代を超えた女同士の絆などがとてもよく描かれています。
日本ではジュリエットについて、“フランスの大竹しのぶ”と意地悪く批評されることが多いのですが、海外ではものすごく評価が高い人なのでちゃんと見てほしいですね」