ライフ

五十肩や膝の慢性痛が2~3週で軽減 血管へのカテーテル治療

 五十肩や膝痛、股関節や肘の痛みを抱え、鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらず、日常生活に不便を感じている人は多い。これらの慢性痛の原因の一つとして、患部に発生した、ごく細い新生血管が作用していることがわかってきた。新生血管はレントゲンには映らず、血管造影しないとわからないため、今までは原因として考えられてこなかった。

 痛みと血管の関係について、研究している江戸川病院運動器カテーテルセンターの奥野祐次センター長に聞いた。

「私はもともと、がん治療に携わってきました。がん性疼痛(とうつう)患者のがんの部位には、微細な血管が発生しているので、そこにカテーテルという細い管から薬剤を入れて血管をつぶす治療を行なうと、痛みが楽になったという症例が数多くありました。がん以外の慢性痛でも、血管が関係しているのではないかと思い、肩や膝痛患者の患部を血管造影したところ、新生血管があることがわかりました」

 五十肩や膝痛などの患部は、長期にわたり炎症が起こっている。炎症は痛みの原因であるだけでなく、炎症が引き金になり、患部では血管が発生し、それとともに神経線維も増殖する。この増えた神経線維が、慢性痛の原因の一つになっているという。

 五十肩で夜間の痛みで不眠になっている男女16人を対象にカテーテルを挿入し、新生血管に直接薬剤を注射する臨床研究を行なった。全員が治療後4週までに痛みの程度は3分の1に減少し、治療後24週経過しても治療効果が持続している結果が得られた。これを受け、臨床でも500例以上に治療が始まっている。

関連キーワード

トピックス

第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
日米通算200勝を前に渋みが続く田中
15歳の田中将大を“投手に抜擢”した恩師が語る「指先の感覚が良かった」の原点 大願の200勝に向けて「スタイルチェンジが必要」のエールを贈る
週刊ポスト
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
裏アカ騒動、その代償は大きかった
《まじで早く辞めてくんねえかな》モー娘。北川莉央“裏アカ流出騒動” 同じ騒ぎ起こした先輩アイドルと同じ「ソロの道」歩むか
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
【「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手】積水ハウス55億円詐欺事件・受刑者との往復書簡 “主犯格”は「騙された」と主張、食い違う当事者たちの言い分
週刊ポスト
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン
保育士の行仕由佳さん(35)とプロボクサーだった佐藤蓮真容疑者(21)の関係とはいったい──(本人SNSより)
《宮城・保育士死体遺棄》「亡くなった女性とは“親しい仲”だと聞いていました」行仕由佳さんとプロボクサー・佐藤蓮真容疑者(21)の“意外な関係性”
NEWSポストセブン
過去のセクハラが報じられた石橋貴明
とんねるず・石橋貴明 恒例の人気特番が消滅危機のなか「がん闘病」を支える女性
週刊ポスト