「慰安婦」「竹島」に限らず、韓国では繰り返し反日的な動きが起きている。もちろん、政府が国民の不満の矛先をそらそうと政治的に「反日ムード」を作っている側面もあるが、根底には韓国人が持つ「日本人はもともと野蛮な存在」だという意識があると、鄭大均・首都大学東京特任教授は指摘する。
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韓国の日本大使館前で毎週行われる、“慰安婦問題”に対する水曜デモは1100回を超えた。2011年12月に1000回を記念して「慰安婦像」が設置されたことは記憶に新しい。こうした反日的な行動は、竹島問題や靖国問題などことあるごとに噴出する。
まず言っておきたいのは、韓国には反日の一方で、日本に対する称賛や憧憬の感情も少なからずあるということだ。日本は経済的に成功した国であることに加え、親切で勤勉で忍耐強い国民がいると考えられている。日本は憧れを持って語られ、時に見習うべき対象とされることもある。
だからこそ、時に反日は嫉妬と入り混じったルサンチマン(恨み)の感情という様相を呈する。
憧憬だけでは嫉妬は生まれないし、恨みだけでも嫉妬心は生まれない。そこには「自分たちのほうが優れた民族であるのに、日本人のほうがいい目にあっている」という思いが根底にある。
韓国人の日本人に対する嫉妬には、伝統的な華夷思想の影響もある。華夷思想とは世界を華と夷に分けて眺める中華文明的な世界観で、夷狄を野蛮人として蔑視する思想である。その「華夷秩序」の中で、韓国人には自らが文化的に中国に近いという意識があり、日本は自分たちより文化的に劣等であるという認識がある。
その思想は韓国の歴史の教科書にも見られる。たとえば、韓国の高校生用の歴史教科書には新羅、百済、高句麗の三国時代の日本との関係に触れた記述に繰り返し、「伝播」「伝授」の言葉が登場する。