球界に更なる激震が走った。10月21日、日本野球機構(NPB)は、巨人の福田聡志投手に続き、笠原将生(24)と松本竜也(22)の2投手も野球賭博行為をしていたと発表。笠原は今季も一軍で20試合に登板し、3年連続で20試合登板以上。松本は2011年オフのドラフト1位で入団。これまで一軍登板こそなかったものの、入団当時はNPBの日本人最長身(193センチ)で、さらに左腕であることから、“和製ランディ・ジョンソン”と騒がれた逸材だった。ともに、将来が期待された投手だけに巨人のみならず、球界の失望は大きい。
『プロ野球全選手写真名鑑』(ベースボールマガジン社)には、『趣味、特技』を記す欄がある。ただ、入団以来一貫して、笠原は『釣り』、松本は『DVD鑑賞』と記載されており、賭け事好きを匂わせる記述は一切ない。福田も、賭け事とは程遠く思える『読書』を挙げている。もちろん、趣味欄にわざわざ賭け事を書く必要性はないだろう。しかし、今から30年ほど前の1980年代の『選手名鑑』には、選手の情報が赤裸々に綴られている。
たとえば、東尾修(当時西武)は1987年オフに麻雀賭博容疑で書類送検されているが、既に1984年の『選手名鑑』の趣味欄で、「ゴルフ、麻雀」と書かれていた。ベースボールマガジン社の『選手名鑑』は1984年に大きく改訂され、『理想の女性のタイプ』『思い出のシーン』などが加えられ、前年までよりも1人に対する文字数が増えたため、東尾の『趣味または特技』に「麻雀」も入ったようだ。野球担当記者が話す。
「昔と今では、『選手名鑑』の作り方に違いがあります。昔は、基本的に番記者が普段の取材を元に書いていた。今は、アンケート形式で選手が答えるものを載せる。だから、ある意味、本音は出づらいんです」