つまり、側から見ると、気持ちが変わった原因がまったくわからない。だからこそ“気まぐれ”に見えるのです。傾向で述べましたが、気分変動性が高い人は、「自分は周りから受け入れられていないのではないか…」と、猜疑的な目で周りの人を見ています。
ですから、「自分は受け入れられているんだ」とわかれば、感情の起伏もなくなっていきます。実はこのタイプ、心理療法を受けにくる人に多いのですが、自分自身で気分変動性が高いことに気づいていないケースがほとんどです。
抱えている問題は目の前にあることではないのですが、このタイプには「不安なことはないですか?」「何か心配していませんか?」と、あえて漠然とした質問で、話を聞いてあげることが大切です。
留美さんにとっての義姉のように、これからも長いつきあいになる相手なら、よけいにしっかり話を聞いてあげてください。とはいっても、それは時間にすれば小一時間もあれば充分です。
ポイントは“自分を受け入れてくれる人がいることで、気持ちが満たされる”ことにあるからです。話を聞いてあげただけで、「なぜ、さっきとこんなに違うんだ!?」と、その落差の大きさに驚くほど、相手は安定していきます。
お義姉さんだけでなく、会社でも家族でも、いつもできていることができなかった人がいたら、「なぜ、できないの!?」と頭ごなしに聞くのではなく、「何か心配ごとがあるの?」と、相手の話に耳を傾けてみてください。失敗の原因が単純なミスではなく、感情の起伏によるものかもしれないからです。
※女性セブン2015年11月12日号