世界経済フォーラム(WEF)によれば、2014年現在、男女平等指数で、韓国は142か国中117位と低い(ちなみに日本は104位)。同調査では、「イスラム国」の拠点となっているシリアが139位。海外から見た韓国における女性の地位は、テロリストが跋扈する国家と大きな差がない。
そうした現状について、米カンザス大学社会学科のキム・チャンファン教授は自身のコラムで「韓国の男女平等指数が低い理由は、労働市場における女性の地位が低いからです。これまで韓国の高い教育熱が経済発展に貢献できたのは、人的資本投資を成功裏に進めてきた結果。しかし、労働市場から女性を排除すれば、これまで投資した資本は浪費したことになる」と警告している(『週刊東亜』2015年3月9日付)。
韓国の“男尊女卑社会”が相も変わらず、職場などでの「性接待」が当たり前となっている現状では、熱心な教育投資など水泡に帰すばかりだという。
建前では、韓国社会全体が「女性差別を排除しなければならない」とわかってはいる。女性の朴槿恵氏が現職大統領であることも、韓国が変わりつつある証拠だろう。ただ、根っこから女性差別を取り除くには、まだまだ時間がかかりそうだ。
文/張赫(フリーライター)
※SAPIO2015年11月号