男性型脱毛症(AGA)の患者は1000万人以上といわれ、外見に対する男性の意識の高まりから専門医に相談する人が年々増えている。そんな薄毛の男性たちの救世主と期待される新薬が、もうすぐ発売になる。
AGAに悩む男性が脱毛予防や育毛対策として拠り所にしてきたのが、「ミノキシジル」と「フィナステリド」といった薬剤だ。
前者は「リアップ(外用薬)」、後者は「プロペシア(内服薬)」という商品名で販売されている。特にプロペシアは世界60か国以上で処方され、日本では2005年の登場以来、その有効性の高さからAGA治療薬として広く用いられてきた。
しかし、それらを凌ぐ新たな薬が11月中にも登場するといわれ、AGA患者が熱い期待を寄せている。その新薬とは、9月28日に厚生労働省の承認を取得し、グラクソ・スミスクライン社が製造販売する「ザガーロ」(一般名・デュタステリド)だ。
頭髪治療のスペシャリストとして知られる東京メモリアルクリニック・平山の佐藤明男院長が語る。
「すでに韓国では処方されています。日本で発売されたら当院ではすぐに入手、処方するつもりです。従来品を使用していてもなかなか効果が表われない患者さんの中には、すでにザガーロを予約している人もいるほどです。
ザガーロとプロペシアの大きな違いは、抜け毛の原因とされる物質を阻害する成分量がザガーロの方が多いこと。プロペシア1mgの効果をザガーロは0.1mgで期待できる。プロペシアは0.2mgと1mgの2種類が販売されていますが、ザガーロは0.1mgと0.5mgの2種類が販売されます」
グラクソ社によれば、ザガーロの有効成分であるデュタステリドは前立腺肥大症治療薬として2001年にアメリカで承認されたものだという。
「その後、AGA治療薬として開発を進め、2009年に韓国でAGA治療薬として承認されています。AGA治療薬としての日本の臨床試験は2010年から開始し、今年9月に承認を得ました」(同社広報部)