ラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会で、初めて1 大会3勝を挙げた日本代表。強豪の南アフリカに歴史的な勝利を収め、感動を呼んだ。そこで、今でも語り継がれる学園ドラマ最高傑作『スクールウォーズ』(TBS系)で、高校のラグビー部の監督役を演じた山下真司(63才)に、ラグビーについて熱く語ってもらった。
――ラグビーW杯、日本代表の試合はいかがでしたか?
山下:まるで『スクールウォーズ』みたいでしたね。あのドラマと同じように涙しました。ラグビーのW杯は優勝賞金がないし、名誉のためというか、アマチュアリズムにのっとって、仲間のために戦う姿は泣けますよね。久しぶりに、いい意味で鳥肌が立ちました。格好いいという言葉だけではすまされませんが、本当に格好よかったですね。
――どのあたりが『スクールウォーズ』に似ていると?
山下:南アフリカ戦で最後の最後に逆転を決めたシーンなんてまさにそうでしたよね。日本代表は今まで弱小で、体が小さくて、勝てなかったじゃないですか。それを一気に盛り返したのは、忘れ去られそうになっていたラグビーを、国民に思い返してほしいというラガーマンの悔しさであり情熱だと思うんですよね。
『スクールウォーズ』でも弱小チームが、わずか数年で全国制覇を成し遂げるまでが描かれますけど、それは悔しさをバネにして必死に練習したから。滝沢賢治(ドラマの山下の役名)が生徒たちを鼓舞するところも、エディー・ジョーンズHCが選手に熱く語る姿とリンクします。
――五郎丸選手が、一躍ヒーローとなりましたね。
山下:それでも五郎丸選手は、自分が中心だとは言いませんよね。やっぱり一人の力では勝利はあり得ないと思うし、まさに“ONE FOR ALL, ALL FOR ONE”(一人はみんなのために、みんなは一人のために)のチームプレーで勝ち得たものだから。『スクールウォーズ』では何度も出てきた言葉ですよね。
そうは言っても彼は主役といえば主役なんだよね。キックを決めないといけないので、その成否が勝敗を大きく左右する。3点というのは大きい。トライをする人もヒーローだけど、キックをする五郎丸選手は大変なプレッシャーの中でやっている。だから見ている方も面白いし、ハラハラドキドキもする。
――五郎丸選手のルーティーン、あのポーズが注目されていますよね。