マスターズ陸上競技で100メートルを42秒22で完走した105歳の現役ランナーが話題になったが、ゴルフ界にもスーパーシニアがいた! 今年8月に行なわれた「ドラコン」日本一を決める日本ロングドライブ選手権のプレミアエキシビションで、299ヤードの公式記録をマークしたのが国分佐久さん、御年80歳である。
アマチュアゴルファーの平均飛距離は210ヤード、米ツアーで活躍する松山英樹プロの今シーズンの平均飛距離は294.5ヤード。80歳で299ヤードをかっ飛ばす国分さんの飛距離が、いかに凄まじい数字かがわかる。現在、ギネスにも申請中だ。
ドラコン競技は通常のゴルフ競技とは異なり、スコアではなくドライバーの飛距離だけを争う。3分間で6球を打ち、一番遠くに飛ばした者が勝ち。だが、ボールは幅40ヤードのフェアウェーに止めなければならないうえ、飛距離が270ヤード以上でないと計測すらしてもらえない。もちろん使用クラブは高反発ではなく、ルール適合モデルだ。
「とりあえず真ん中に置きに行くという考えでは通用しない。6球すべてフルスイングでベストを尽くす。全部ファウル(場外)になっても悔いは残りません」
国分さんはそう胸を張る。国分さんのゴルフの腕前はシングルではない。今でも「なんとか100を切れる程度」だという。が、そんなことを本人は意に介さない。追求するのはスコアではなく飛距離だからだ。
練習場でもひたすら飛距離を求める。本番に近い状態にこだわり、闇雲にボールを打つのではなく、入念な準備運動のあと、6球だけに全神経を注ぐ。
「無駄な鉄砲は撃たない主義ですし、病気の妻の世話があるので、練習場に通えるのは週2回だけ。だから本番さながらの練習をします。一球入魂で、満足できればそれ以上打ちません。私が実践するのは3秒スイング。1でアドレスしてボールを見る。2でバックスイングして、3でボールの当たるところを見て振り抜く。考えるのはそれだけ」