日本の空港に到着したばかりの外国人(=YOU)を直撃インタビュー。その場で取材交渉が成立すれば、そのまま密着ロケを敢行してしまうというテレビ東京の人気番組『YOUは何しに日本へ?』(毎週月曜夜6時57分~)。今年9月には放送100回を達成した。その裏にはどんな苦労があったのか。番組の生みの親でもある、総合演出の野村正人さんに話を聞いた。
――番組が始まった当初、100回続くことは想定していましたか?
野村:当初は、年に3回か4回の特番としてゴールデンでできたらいいな、という期待はありましたが、レギュラー化されるとは思っていませんでした。何せマンパワーが必要なことなので。2012年6月のパイロット版放送後、視聴率と番組に寄せられた感想を聞いて「よし!」と手応えを感じましたが、レギュラー化がされる話があった時に実は一旦断りました。大変なことは分かっているので。説得されるうち、1時間後には「ハイ、やります」と返事していましたけどね(笑い)。
――大変なのは、やはり空港での直撃?
野村:そうですね、これまでおおよそ4万人以上の“YOU”に声がけして250人以上に密着していますが、各ディレクターがまだ慣れていなかった頃は、40人にインタビューして、そのうち1人オンエアできるかどうかという程度。そこから密着となると、ハードルはさらに上がりますし、密着できたとしてもボツになるのが半分以上あります。通常、ロケに行く際には事前に下調べをしますが、この番組はリサーチと密着を同時進行でやらないといけないので、うまくいかないこともあります。
――取材班はどのような体制を敷いていますか?
野村:成田空港や関西空港では混雑時以外の時間帯で撮影許可をもらっているので、基本的には平日の日中に空港取材をしています。ディレクター、カメラマン、通訳で一つの班を組んでいて、だいたい3班が平日はほぼ毎日、空港でインタビュー取材をしています。
空港からそのまま密着する場合など、カメラマンが別の仕事で戻らないといけない時は、ディレクターがカメラを回すこともあります。通訳さんも空港での待ち時間の間に、「あの人どうです?」と“YOU探し”を手伝ってくれていますね。少人数なので助かっています。
――有名人にも声を掛けていますよね。意外と気づかないこともあるみたいですが。
野村:失礼な話ですよね(笑い)。ベネディクト・カンバーバッチ、クリスチャン・ラッセンやミランダ・カーもいましたね。11月16日の放送ではキアヌ・リーブスに声を掛けています。昔の姿しか知らない有名人だとさすがに風貌も変わっていて、後になって「あー、あの人か!」と気づくこともあります。空港で気づいた時は積極的に、でも怒られない程度に声を掛けています。
――空港じゃないところで探すこともありますか?