一方、スモールステップ学習を繰り返してきた人は、最初からあきらめたりはせず、できる限りの力を発揮しようと考え、行動に移します。非行少年も成功体験が乏しいことから「どうせ、がんばっても社会が自分を受け入れてくれない」と、ネガティブ思考なタイプが多いのです。
社会人の場合、このタイプは仕事を途中で投げ出す危険があるので、大切な仕事を任せにくいでしょう。投げ出したことを指摘すると、「どうせできない」、「バカですから」と開き直ってしまいますから、上下関係のつきあいがうまくいかない人が多いのも特徴です。
できれば悦子さんのお子さんのように、まだ幼いうちから、小さな目標をつくって、達成感を味わわせるような教育をしていくことが大切です。
今回テストの点数が50点だったなら、次は55点に。そして55点がとれたら、次は60点と、少しずつ目標を上げていきます。大切なのは目標を達成したら、必ずたっぷりほめてあげて、喜びを実感させることです。
夢は誰でも持てるし、そのチャンスもあります。一方で努力をしても、必ずしも夢を叶えられるとは限りません。しかし、夢が叶えられなくても、努力したことで自分の限界を知ることはできます。このような人はどんなことでも肯定的に受け入れられるようになります。
努力しなかった人はというと自分自身に問題があるとは考えず、「どうして?」「この結果はおかしい」と結果に不満を持ち、最終的に「どうせ自分なんか」と自己肯定ができなくなっていきます。自己肯定ができない人は、他人を肯定することもできません。
自己肯定感を持つためには、小さな成功体験を積み重ねること。それは大人になってからでも、まだ間に合います。
※女性セブン2015年11月19日号