◆家が買えた
上原さんが2006年から借りている千葉県の商業地にある100坪・12台分の駐車場の年間売り上げは780万円(月平均65万円)で、駐車場に設置する自動販売機のマージンがそれとは別に年12万円入る。
支出は土地の賃料が年360万円(月30万円)、トラブル対応を委託する管理会社への保守管理費が年43万2000円、電気代が年6万円かかるが、利益は年382万8000円に達する。
彼女はもう1か所で8台分のパーキングを運営しており、合計の売上額は年に1200万円に上り、利益は約760万円にもなる。
「防犯だけ外注すれば、基本は24時間ほったらかしで週に1回集金するだけです。
こだわったのは、“土地の選定”でした。絶対必要な条件は、“車に乗って人が集まってくる場所”です。商業地はもちろん、敷地内に駐車スペースの少ない学校や病院、車の訪問が多いグラウンドの近くが狙い目です」
投資は人生を変えたという。始めた頃はちょうど夫が起業した時期だった。
「夫がサラリーマンを辞めて無収入になり呆然とした。でもコインパーキングを始めて、家が買えました」
この投資法は地価の変動などで手を引きたい時の「出口戦略」も立てやすい。
「アパートや月極駐車場のように利用者の契約を解除する必要もなく、土地の賃貸契約を解約するだけで撤退できる」
素人ならではの発想と執念が生んだ異色の投資法。儲けの“タネ”は意外と身近にあるのだ。
※週刊ポスト2015年11月20日号