日本シリーズは4勝1敗でソフトバンクがヤクルトを下し、2年連続の日本一に輝いた。日本一が決定した5戦目に北部九州地方では視聴率35.5%(ビデオリサーチ調べ。以下同)を記録するなど、ソフトバンクの地元では大いに盛り上がったが、関東地区では1戦目から3戦目まで視聴率は1ケタに終わっていた。4戦目に12.4%、5戦目は12.3%と持ち直したが、かつてのような高い視聴率は残せなくなっている。
日本シリーズ放送日のゴールデン帯では日本一が決定した5戦目も含めて、中継しなかった日本テレビがほとんど同時間帯トップを獲得しているのだ。テレビ局関係者が話す。
「視聴率争いで独走している日テレは、巨人がセ・リーグで優勝しなかったため、クライマックスシリーズ、日本シリーズともにナイター中継をしないで済んだ。今年になってから毎日のように、全日帯、ゴールデン帯、プライム帯で視聴率1位を獲っている日テレですが、巨人戦ナイターのある日は視聴率が1ケタに落ち込むため、他局にトップを明け渡していた。内心、ポストシーズンの放送がなくて安堵していると思います」(同前)
とはいえ、2年前、3年前の日本シリーズでは視聴率20%越えを記録している巨人が出場していれば、ヤクルトよりも高い視聴率を獲れていたと予想され、展開次第では20%の大台に乗った可能性もある。それでも、テレビ局側としては、日本シリーズは美味しい放映権ではなくなっているようだ。
「今年の日本シリーズは試合時間が長く、どの局も延長放送しました。これが他の番組に悪い影響を及ぼしたのです。たとえば、24日土曜の『情報7days ニュースキャスター』(TBS系)は通常、視聴率2ケタは堅いのに、日本シリーズ第1戦中継のためいつもより45分遅れで始まった影響もあって、9.4%に終わった。
最も“被害”を受けたのは3戦から5戦までを中継したフジテレビではないでしょうか。27日火曜のドラマ『サイレーン』は1時間15分遅れで23時15分からの開始となり、前週の12.9%(1話)から6.3%(2話)と半減した。28日水曜も22時台のドラマ『無痛』の開始時間が23時45分となり、前週の8.4%(3話)から4.7%(4話)にまで落ち込んだ。29日木曜の『オトナ女子』も23時15分からの放送となってしまい、前週の9.2%(2話)から7.2%(3話)になっています。
ドラマの序盤で、視聴者を離してしまったことはかなりの痛手ですよ。特に、『サイレーン』は初回で月9以上の数字を残し、最近のフジでは珍しく期待できるドラマだっただけに、悔やんでも悔やみきれないのではないでしょうか」(同前)