11月22日は「いい夫婦の日」。夫婦円満を願わない人はいないだろうが、日本家族計画協会による最新の調査結果をみると、セックスレス夫婦は44.6%にものぼり、2年に一度の調査のたびに増えている。
37の国・地域の18歳以上を対象としたデュレックス社調査(2011年)によれば、週1回以上の頻度で性行為をしている割合が日本は27%で最下位。1位はコロンビア(89%)、2位はロシアとインドネシア(88%)だ。上位と日本との落差にも驚かされるが、ビリから2番目36位の英国(55%)と比べても、極端に数字が低い結果に言葉も出ない。この落差は、何に起因しているのか。
30代男性会社員は、3年前から交際していた女性に今年の夏にフラれた。ベルギー人の新しい彼氏ができたというのだ。二股をかけていたのかと問い詰めると「最近は会っても何もしないから、私のことを好きじゃなくなったと思った」と打ち明けられた。
男性は女性に対して愛情を失ってはおらず、セックスへの意欲もあった。しかし仕事が忙しくなり疲労困憊、さらには職場の人間関係などストレスが高まったタイミングと重なり実行に移す力が減退して、セックスレスになっていたのだ。この会社員はある意味、昨今の日本人の典型ではないか。愛情はあるのに破局に向かいそうなカップルの関係は、解決できるのか。かつての「世界一」ギリシャの今を参考に、解決法を探ってみよう。
ギリシャはかつて、デュレックス社の2006年調査でセックス頻度ランキング1位(87%)だったが、2011年は11位に転落(80%)。ギリシャ地元紙によると、急激な順位下降は不況によるところが大きいという。アテネ五輪で景気もよく人々も自信にあふれていた2006年は性生活も盛んだったが、今では男性の3割が不安を抱える危機的状況だ。しかしギリシャ男性は友人に相談しインターネットで積極的に情報を探し専門家に相談し下落幅を小さくする努力を怠らないという。
一方の日本では、たとえ親密な間柄でも性にまつわる話はしづらいものだ。しかし、匿名で情報を収集しやすいインターネットではさかんに意見交換や相談が行なわれている。ネットが普及したおかげで、日本でもギリシャ男性と同じように改善策をとりやすくなった、ともいえる。