高須クリニックの高須克弥院長が世の中のさまざまな話題に提言していくシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、社会問題化している「下流老人」についてお話をうかがいました。
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──高齢化社会がどんどん進むなか、経済的に厳しい老後生活を強いられている「下流老人」が増えているといいます。
高須:昔は病院がお年寄りの逃げ場だったんだけどね。入院するほどの持病があるわけでもないけど、生活を維持するために入院していたお年寄りもたくさんいたよ。でも、今は生死に関わる慢性疾患を持ってる患者さんでない限り、生活のために入院するなんてことはできなくなっているからね。老人ホームだって、要介護度が高くないと入れないケースも多い。もちろん、貯金がたくさんあるお年寄りなら、どうにでもなるけど、年金だけじゃあ今の世の中、なかなか暮らせていけないもんなあ。
──結局は、やはり生活費の問題ということですね…。
高須:そう。だから、物価の高い都会から出るっていうのもひとつの手段だと思うよ。介護があんまり必要ないお年寄りであれば、物価の安い土地に行けばそれなりの暮らしはできると思う。下流老人が集まる村みたいな場所を作って、お年寄りでもできる仕事も与えればいいと思うけどなあ。
ちなみに、これは難民にも同じことが言えると思う。日本には廃村とか無人島とか、まだまだ開発するがある場所はあるんだよ。政府がお金を出して、そこに住居を作って、さらに農地や工場なんかを作って、産業を興すわけだ。それで難民を受け入れて、しっかり働いてもらって税金を納めてもらえば、決して赤字にはならないような気がするんだよね。
ただ、そう考えると、下級老人と難民のどっちを取るか、っていうことでもあるのかな。難民を受け入れて廃村に住まわせると、今度は下流老人たちの行く場所がなくなってしまう…みたいなね。まあ、あくまで仮定の話だけど。
──なるほど。
高須:あと、実は下流老人を移住させることで、票集めをすることもできるかもね。それこそ沖縄は物価が安いわけでしょ。もしも今、政府が下流老人を救うために沖縄に施設を造って移住させたら、そのお年寄りたちは安倍政権を支持するよね。となると、自民党は沖縄で票を確保できるわけだ。裏でひっそりこういうことを考えている政治家もいそうだね。
──下流老人で票田を作るという戦法ですね。
高須:ただ、生活保護の不正受給なんかを見ていると、本当に困っている人にサービスが行き渡らない可能性も高い。だって最近、街なかでホームレスをあんまり見なくなったでしょ?