2016年の正月を前に、百貨店、スーパー、ネット通販などで予約受け付けが始まっている「おせち料理」。だが、近年は、30代以下の3人に1人がおせち料理を「まったく食べない」というデータが出るなど、“若者のおせち離れ”が加速している。
総合マーケティング支援事業を行うネオマーケティングが3年前に実施した「年末の買い物」調査(30歳~49歳の既婚女性500人対象)でも、〈毎年おせち料理は準備しますか?〉の質問に、〈まったく準備しない〉と答えた人の割合が33.8%にのぼり、30代だけで見ると40%を超えていた。
そんな中、重詰めのラインアップを増やして売り上げを着実に伸ばしているのが、“コンビニおせち”だ。例えば、セブンイレブンは日本料理「神谷」監修の三段重『極尽』(3万2400円)を用意しているが、昨年は1万個の販売を達成した。
おせち需要が減少傾向にもかかわらずコンビニ販売が好調なのはなぜか。『コンビニエンスストア速報』編集長の清水俊照氏がいう。
「かつてはコンビニで売っているおせちと聞けば、百貨店やスーパーよりも『ランク下』に見られがちでしたが、最近のコンビニ惣菜を食べてみれば分かるように、専用工場で作られた加工食品の質や味は格段に進化しています。
特に早くからおせち料理を扱ってきたセブンイレブンのこだわりは半端ではありません。黒豆ひとつ取っても、大粒で良質な丹波産を使用しているうえ、茹でる際に傷がつかないよう一粒一粒チェックしているほど。いまやコンビニおせちは味・見栄えとも百貨店などに決して引けを取りません」
では、気になる大手5チェーンの『2016年おせち』の特徴を紹介しよう。
【セブンイレブン(最終予約受付/12月28日)】
前出の『極尽おせち三段重』ほか、北陸の老舗旅館「加賀屋」料理長が監修した二段重や、少人数向け一段重(9000円)も用意。インターネットお届けサービス「セブンミール」での予約対応も可能。
【ローソン(最終予約受付/12月25日)】
長崎産あわびや北海道産数の子など国産食材のみを使用した『プレミアムおせち三段重』(3万3000円)がメイン。フォアグラのムース、中華くらげなどが入った『和洋中折衷おせち三段重』(1万8500円)は、肉や魚を盛り付けた「弐の重」でカップごと温めて食べられるなど工夫している。
【ファミリーマート(最終予約受付/12月27日)】
厳選食材を詰め込んでいることは他チェーンと変わらないが、『和風おせち二段重』(1万3000円)や『おせち一段』(7000円)など、小世帯や単身者向けのおせちが充実。また、海鮮食材を多くして日本酒やワインなどに合う二段重(1万8000円)も揃える。
【サークルKサンクス(最終予約受付/12月25日)】
厳選素材を使った35品目の『曙三段重』(1万7064円)ほか、割烹料亭千賀監修の迎春おせちや、一人暮らしでも気軽に正月気分を味わえる“おせち弁当”の『華御膳』(1380円)も用意。
【ミニストップ(最終予約受付/12月25日)】
イオングループの同チェーンは「トップバリュシリーズ」の中から厳選した5品を取り扱う。『和洋おせち三段重』(3万240円)ほか、1~2人用の和風一段重『結(むすび)』(6264円)もある。また、和風スイーツとの買い合わせ提案も行っている。