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蛭子能収も診断された「MCI」 歩行速度が遅く歩幅狭くなる

 漫画家でタレントの蛭子能収(68才)はある時から物忘れがひどくなり、孫や息子の嫁、マネジャーの名前が出てこず、前の日に食べた夕食が思い出せなくなった。

 そんな頃にあるテレビ番組の企画で医師の診断を受けると、MCI(軽度認知障害)と診断された。MCIとは、記憶力や注意力といった脳の認知機能が正常より低下しているが、認知症のレベルには至っていないグレーゾーンを指す。

 MCIは老化による物忘れとの区別が難しい。蛭子さんのケースのように認知機能が低下しても、判断力や方向感覚には問題がなく、日常生活に不自由がないどころか、仕事にも大きな支障をきたさないと、なかなか気づくことができない。

 さらに認知症と違い、脳の画像や血流量からは診断できないことも難点だ。そんなMCIをどうしたら発見できるのか。認知症予防の第一人者で、日本認知症予防学会理事長の浦上克哉鳥取大学医学部教授はこう語る。

「女性の場合は『料理』をする場面に注目してください。料理は複雑な作業を同時進行で行うため、『脳内ネットワーク』の衰えの影響が出やすいんです。

 たとえば、いつもと味が変わってきたら、何か手順を忘れていたり、何度も同じ調味料で味付けをしていることが考えられます。また、レパートリーが減ったり、家にあるのに同じ食材を買ってきてしまったり、水を出しっぱなしにすることが多くなったりしたら、MCIが疑われます」(浦上教授)

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