箱根駅伝まで、あと1か月。前回優勝の本命・青山学院大に、東洋大や駒澤大をはじめとするライバル校がどれだけ迫るのか。正月の本番を楽しむために、日本中のどこよりも陸上競技の現場を取材するウェブメディア「駅伝ニュース」の主宰者である、「公園橋博士」こと西本武司氏が最新情報をレポートする。
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11月21日、慶應大日吉キャンパスの陸上競技場で開かれた「1万m記録挑戦会(関東学連記録会)」には、正月の箱根駅伝に出場する各大学が集まった。エントリーメンバーの選考、レース形式での調整など各校の目的は様々だが、圧倒的な存在感を見せたのは、やはり青学大だった。
記録会は各選手が申告する目標タイムに応じて組分けされる。最も速い28分00秒~28分20秒で申告した選手が揃う第11組。ここでトップでゴールしたのは青学大の久保田和真(4年)。今年の箱根で1区を走った彼は序盤から集団を引っ張り、ラスト2周でギアを入れ替えて後続に6秒差をつけた。ゴールタイムは28分24秒、自己記録を6秒更新する快走だった。
青学大は他にも4位の下田裕太(2年、28分33秒)、5位の中村祐紀(2年、28分34秒)、6位の渡邉利典(4年、28分35秒)、9位の渡邉心(4年、28分37秒)、12位の田村和希(2年、28分46秒)、13位の池田生成(3年、28分51秒)らが自己ベストを更新。今年の箱根で2区を走った7位の一色恭志(3年、28分35秒)もシーズンベストの記録を出し、上位10人中6人を青学大が占めた。
青学大メンバーは、10月の箱根予選会個人6位で関東学生連合に最上位で選出された創価大・山口修平(4年)らを周回遅れにする強さだった。
1万mでの28分台は大学生ランナーとしてトップクラスの証とされる。この日の自己ベスト連発で、すでに達成している選手と合わせて青学大の28分台の選手は11人。つまり28分台の選手でも、1人は箱根を走れない。前代未聞の事態だ。
全日本大学駅伝(11月1日)は東洋大に敗れ大学駅伝三冠は逃したが、正月の箱根優勝に最も近いのはやはり青学大だろう。