好調が続く連続ドラマ『下町ロケット』(TBS系)。ガウディ計画編に突入してから、個性的な役者たちが新たに加わったが、天才心臓外科医という難しい役どころを演じているのが芸人の今田耕司(49才)だ。大胆な起用にネットではさまざまな声が出ているが、専門家は今田の演技どう見るか。テレビ解説者の木村隆志さんが分析する。
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今田さんに“俳優”としてのイメージがない人は多いと思いますが、1990年代から2000年代中ごろまで、多くのドラマに出演していました。代表作は1995年放送の月9ドラマ『いつかまた逢える』(フジテレビ系)。福山雅治さんと椎名桔平に続く3番手で、大塚寧々さん、西田尚美さんとの恋模様を演じました。その他にも、先生、寿司職人、番組ディレクター、警察官など、さまざまな職業を演じてきましたし、医師ではないものの2002年放送の『ナイトホスピタル』(日本テレビ系)では看護師を演じています。
それだけに演技経験の不安はないのですが、今回の出演は全キャストの中でも、最もハードルの高い挑戦のような気がします。司会者として番組を仕切り、大きくツッコんだりボケたり、潔癖症や未婚をイジられるイメージが定着した今田さんが、物語になじむのは至難の技。
視聴者は日ごろの習慣から、役名の“一村隼人医師”ではなく、“今田耕司”として見るため、多くのキャストが映っているシーンでも、今田さんだけ3Dメガネで見ているように前に浮き出てしまうのです。つまり、「物語や役柄をスルーされて、個人として目に留まってしまう」という難しい状況があります。