橋下徹氏率いるおおさか維新が大阪府知事選と大阪市長選のダブル選挙で圧勝した。知事選は、現職、松井一郎氏が再選、市長選も前衆議院議員の吉村洋文氏が初当選した。
大阪のダブル選挙の勝利で、地元では「政界引退」を表明した橋下氏の政界復帰待望論が早くも高まっている。
橋下氏は選挙戦で先頭に立って大阪都構想の住民投票で反対が上回った区を重点的に応援に回り、市長選の得票を逆転させて根強い支持があることを見せつけた。「天敵」である朝日新聞の世論調査でも、大阪府民の55%、大阪市民の44%が「復帰してほしい」と回答している。
ジャーナリストの森功氏は仮に来年7月の衆参同日選が行なわれた場合、橋下氏が「おおさか維新」の看板候補として衆院選に出馬する可能性が高いと指摘している。そうなれば大阪で三たび橋下旋風が起きるのは確実だろう。
ダブルに敗北した自民党大阪府連関係者は、「来年の参院選で大阪選挙区は定数が4に増える。府連ではまだ公認候補は決まっていないが、勢いに乗ったおおさか維新が候補者を2人擁立してくるのではないかと戦々恐々としている」という。
安倍官邸では来夏に衆参同日選戦略を練っているとみられるが、それは党内の予想を大きく超える内容のようだ。
「そのとき官邸は自民党を大阪から撤退させるかもしれない」と見るのは菅官房長官に近い自民党幹部の1人だ。