WaTの電撃解散発表で注目を集める小池徹平(29才)が時代劇に初主演する。石ノ森章太郎さん原作の時代劇『佐武と市捕物控』で下っ引きの若者佐武役を演じるのだが、そこで発揮されたのは“うる目力”だという。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野氏が綴る。
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近年、「目力が強い」俳優は結構いるが、小池徹平にはそれとは一味違う“うる目力”がある。その力は「ぼくは子供じゃありませーん!」などと叫びながら捜査をしていた『シバトラ~童顔刑事柴田竹虎』やひきこもりのストーブさん役の『あまちゃん』でも光っていたが、まもなく放送される時代劇『佐武と市捕物控』(BS日テレ・12月19日放送)でも、存分に使われている。
このドラマで小池徹平は江戸の事件を追う下っ引きの若者佐武役。下っ引きといえば、現代の刑事のごとく活躍する岡っ引きの親分の下で、聞き込み、張り込み、片付けなど下働きに走り回る見習い的存在だ。親分の命令ひとつで早朝から深夜まで働くプチブラック職なのに、誰も一人前と認めてもらえないつらーい立場。そんな佐武を心配し、影ながら助けるのが、盲目の按摩で居合の達人の市(遠藤憲一)である。
江戸のバディともいえるふたりは、隅田川でふたりの死体が見つかった事件を追う。見事な一太刀で斬られた被害者を見れば、どう考えても下手人は武士でしょ?と考える佐武。現場には重要な遺留品もあったのだが、探索仲間からは例によって相手にしてもらえない。事件はどんどん拡大し、思わぬ大物もからんで岡っ引きは手が出せない。ささやかな幸せを願う女たちを助けることもできないのだ。すると出ました! 小池徹平の“うる目力”。佐武の目に浮かんだ怒りとも口惜しさともとれる強い表情が、物語に火をつける。