「落とし物というと道で落とすようなイメージがあるかもしれませんが、警察に届けられている落とし物の75%は鉄道や店舗などの施設から届けられています。スマホの場合GPS機能がオンになっていれば、位置情報からいまどこにあるのか探すことができます。iPhoneなら『iPhoneを探す』というツールがありますし、Androidでもセキュリティアプリでほぼ同じことができます」(前出・増木さん)
落し物は年々、増加傾向にある。警視庁の遺失物取扱状況によれば、2014年に警察に届けられた落し物は356万5007件、落し物を探す遺失届は95万5959件にのぼり、どちらも増加傾向が10年以上続いている。2014年に届けられた落し物の上位品目は衣類、かさ類、証明書類、財布類、有価証券類で次がようやく携帯電話類の順だが、遺失届は1位が証明書類、2位に財布類、3位が携帯電話類。よく紛失されている衣類やかさより、スマホや携帯を必死で探している様子が見えてくる。
近年、増加傾向にあるスマートフォンや携帯電話の落し物は、2014年には14万9566件が拾ったと届けられ、24万9993件が紛失したと遺失届を出された。東京都では毎日、409台の携帯やスマホが警察に届けられ、684人が失くしたスマホを求めて警察に届け出ている。毎日、500人以上の人がスマホを失くして血の気が引くような思いをしているようだ。ただし、拾得と遺失件数を単純に比較すれば約6割は見つかるともいえる。
「スマホの場合、拾った人に悪意がなくても、持ち主を知ろうとして個人情報にアクセスしてしまいがちです。落とさないのが一番ですが、方法を確認して落ち着いて対応してください。落とし物と人の性格に相関関係はないといわれていますが、落し物をする人は繰り返す傾向があるなという印象ですね」(前出・増木さん)
忘年会シーズンはまだまだこれから。酔いが回る前に、スマホ紛失時の対応方法を確認しておくのがよさそうだ。