【日本年金機構=2点】
5月、日本年金機構にウィルスメールが複数届き、添付ファイルを開いた職員のパソコンがウィルスに感染。125万件の個人情報が流出した。6月1日、水島藤一郎理事長とシステム開発責任者らが同席し謝罪したが、管理が甘すぎるという批判が相次いだ。
「職員のルーズな仕事ぶりが社保庁時代と変わらないことを露呈。国民の年金データへの不信をさらに高めた罪は非常に重い」(小宮氏)
【トヨタ自動車=4点】
6月18日、ジュリー・ハンプ常務役員(当時)が麻薬取締法違反容疑で逮捕。同19日、豊田章男社長は記者会見を開き謝罪したが、ハンプ氏を庇う発言が目立った。6月30日付でハンプ氏は辞任。7月8日、起訴猶予で釈放され帰国した。
「事件発覚の翌日に記者会見を開いた迅速な対応は評価できるが、章男社長の“仲間を信じる”との発言は軽率だった」(上田氏)
【タカタ=1点】
2008年頃より同社製エアバッグのインフレーター関連の不具合が判明し、リコールが行なわれていた。米国とマレーシアでは死亡事故も発生。今年6月25日、社長がリコール問題後、初めて記者会見を開き謝罪したが、原因究明には至っていない。
「問題発覚は2008年なのに、社長が会見したのは今年6月。さらに今後の対応を問われ“コメントできない”は問題外」(上田氏)
【旭化成=1点】
子会社の旭化成建材が2007年に工事を手がけた横浜市のマンションに傾きが発覚。10月15日、基礎の杭を打ち込む際の施工報告書の偽装が判明。同20日、旭化成建材と共に謝罪会見を開いた。過去10年間で請け負った物件のうち266件で偽装が確認された。
「最初の会見で“10年間で建物が傾いたのはこの1件だけ”と調べもしないで発言した副社長は経営陣として失格」(山見氏)
【三井不動産=2点】
上記の偽装を受け、元請け工事会社である三井住友建設、販売主の三井不動産レジデンシャルの両社長が10月15日に住民説明会で謝罪。マンション全4棟の建て替え、新築価格での買取などの補償案を提示。11月6日、親会社の三井不動産の常務が初めて謝罪。
「親会社としての責任は小さくはない。最初に補償の話を持ってきたのは、“カネさえ払えばいい”と、被害者感情を逆なでした」(田中氏)
※週刊ポスト2015年12月25日号