2014年もプロ野球界では様々な事件が起きた。その表も裏も知り尽くす記者たちが、自身の取材メモの中から門外不出のネタを明かす。まずは盛り上がりを見せる選手の移籍市場から披露しよう。
スポーツ紙セ・リーグ担当記者A:今年の移籍市場の目玉は広島のマエケン(前田健太)。でもメジャーでの評価は正直微妙です。侍ジャパンの一員として参加した「プレミア12」には大挙してMLBのスカウトが視察に訪れていたが、話を聞くと「大谷(翔平・日本ハム)以外に興味はない」といっていました。ウィンターミーティングでは皆、「マエダはすごい選手だ」といっていましたが、リップサービスです。
スポーツ紙パ・リーグ担当記者B:球場には懐かしい顔もありましたね。元広島、楽天監督のブラウン氏。現在はワシントン・ナショナルズの環太平洋地域コーディネーターを務めている。日本の野球とMLBもだいぶ近くなったなと感じましたよ。しかしマエケンからすれば、ずっと言い続けていたメジャー挑戦がようやく叶いましたね。
球団側としても2017年に獲得する海外FAよりは、移籍金の入るポスティングで行ってもらったほうがありがたい。ポスティング制度は2013年に突然上限額が決められるなど、MLBの都合でシステムが変わってきたから、現行制度も来年まで続いているかわからない。今なら最大で移籍金の約20億円が入る。
スポーツ紙遊軍記者C:時を同じくして黒田博樹が現役続行を決めた。来季の年俸は5億円超、広島としては過去最高額。「男気」なんて格好良いことをいわれていますが、黒田はMLB時代は「タフ・ネゴシエーター(粘り強い交渉人)」と呼ばれ、高額契約を勝ち取ることに定評があった。日本に戻ってきてからもその評判通りで、“マエケンマネー”は黒田に吸われる形になりそう。