スポーツ

駅伝マニア注目 驚異ペースで試合出場の中央学院大学の鉄人

出雲駅伝2区で区間新を出した潰滝(中央。著者撮影)

 いま、コアな箱根駅伝ファンの間では、「週刊ポスト読んだ?」が挨拶代わりになっている。どこよりもディープな情報を収集するウェブメディア「駅伝ニュース」の主宰者・西本武司氏(通称・公園橋博士)による本連載の評判が広がっているのだ。何年も箱根ランナーを追いかけ続けてきた「マニアの中のマニア」が注目するのはどの選手なのか?(文中敬称略)

 * * *
 中央学院大の潰滝大記(つえたき・ひろのり。4年)という選手をご存じだろうか。

 今度の箱根駅伝で本命と目されるのは青学大、それを東洋大や駒澤大といった対抗馬が追う。その優勝争いに、フラッシュイエローのド派手なランパンが特徴の中央学院大が絡むことは難しいだろう。それでも、この1年、いやここ何年間も箱根ランナーの走りを見続けてきた私としては、今度の箱根での潰滝の走りを、一人でも多くの人に見てもらいたいと思っている。

 学生長距離選手に「今年、一番すごいと思った選手は?」とアンケートを取れば、おそらくトップに名前が挙がるのが、この潰滝であろう。

 5月にあった関東インカレ2部の1万mでは、前回の箱根4区で区間2位の工藤有生(2年)、7区2位の西山雄介(3年)、9区3位の其田健也(4年)ら駒澤大の主力を抑え、2位に20秒差をつけての圧勝。

 その翌々日の5000mでは、前回の箱根で青学大の“花の2区”を走った一色恭志(3年)、7区区間賞の小椋裕介(4年)らを抑えて2冠を達成した。6月の全日本大学駅伝関東地区予選では、日本大のダニエル・キトニー(4年)に次ぐ日本人最高位で、中央学院大の1位通過に貢献している。

 私たち「駅伝ニュース」が注目するのは、彼の走りだけでなく、尋常ではない過密スケジュールだ。

 今春は4月25日、兵庫リレーカーニバルの1万mで学生1位を獲った後、さらに翌日の3000m障害で3位入賞。前述の通り、5月14日、16日の関東インカレで2冠(そもそも、この2種目の両方にエントリーする選手はほとんどいない)、6月20日の全日本大学駅伝予選会で日本人トップ。普通なら、これだけ走れば故障してしまう。だが「鉄人」潰滝は違う。

 全日本予選翌週の6月26日は日本選手権(新潟)3000m障害で実業団選手を抑え、スタートから独走して優勝。2日後の5000mは明大のエース・横手健(4年)に次ぐ学生2位に入っている。

 さらに7月9日には、韓国・光州へ飛び、“学生のオリンピック”と位置づけられるユニバーシアードの1万mで9位。翌日は5000m予選を突破。さらにその2日後の7月12日夜には同決勝で6位入賞を果たした。

 驚くべきは、同日朝のハーフマラソンにも潰滝が出走していたことだ。これはハーフマラソン「男子団体」への日本チームとしての出場を有効にするための出走だったので5km過ぎで棄権したが、そもそも夜に個人種目の決勝を控えている選手は出走しないのが普通だ。

 そして、韓国で大車輪の活躍を見せた翌週の7月19日には北欧・フィンランドで行なわれたサボ・ゲームスで3000m障害に出場している。8月の世界陸上(北京)にも国際陸連から招待状が届いていたが、日本陸連が選考基準に届いていないことを理由に出場させなかった。出場していれば、世界を舞台に快走を見せてくれただろう。

トピックス

石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト