匿名のツイッターで山口組分裂騒動の内部情報をつぶやき続ける「組長」なる人物。正体をめぐって憶測飛び交うツイッター組長にフリーライターの鈴木智彦氏が接触、メディア初の対面インタビューに成功した。以下、鈴木氏の報告だ。
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Twitterに「組長」という名のアカウントが存在し、「構成員18人ほどの某組長です」とプロフィールに明記して発言していることは知っていた。長く休眠状態だったそのアカウントが再稼働したのは山口組の分裂前夜である。
神戸山口組への離脱派であることを示唆した彼は、以降、「新名称決まった」「神戸山口組」「人事、一部キャンセル。今からこんなで大丈夫?」など、当事者しか分からぬ内部情報をつぶやき始めた。フォロワー数は劇的に増加し、いまや3万人に迫る。
彼はいったい何者なのか……ネットには憶測が飛び交った。
結論を言えば、本物かどうか疑っていたマスコミ人がいるなら、不明を恥じてもらいたい。もちろん私も最初から信じていたわけではない。直接取材を申し込み、東京の料亭で最初に会った11月、最初に確認したのは彼の欠損した小指である。その後、あれこれ質問をぶつけ、本物であることを確信した。
12月13日、ヤクザ社会は「事始め」という新年行事を行なっている。六代目山口組と神戸山口組の双方が事始めを行ない(神戸側は「納会」名義)、分裂騒動は節目を迎えたのだ。その翌日、組長が滞在している香港に飛び、ロングインタビューを敢行した。最初、組長が口にしたのは、自らの進退に関わる衝撃発言だった。以下がその組長の発言である。