国内

勅使参向の有無など皇室とのつながりで神社の格決まると識者

2014年、伊勢神宮の内宮を参拝された天皇陛下

「国家神道」の時代には、全国の神社は明確に序列化されていた。戦後、制度は廃止され、現在に至る。神道学者で歴史家の高森明勅氏が「神社の格」について解説する。

 * * *
 神社に序列なんてない。それぞれの神社に祀られる神様の前で恭しく頭をさげ手をうつ時の気持ちはそうだろう。一方、各神社の歴史的・社会的な位置付けを大きく眺めると、おのずと序列のようなものが浮かび上がってくる。

 その際、1つの目安が“天皇・皇室とのつながり”。天皇は歴史上、国内の統合だけでなく宗教・文化の面でも最高権威だったし、現在も神道の至高の「祭り主」であることに変わりはない。

 その視点からまず取り上げるべきは伊勢の神宮。何しろ全国の神社を包括する神社本庁が「本宗(ほんそう、総本家)」と仰ぐ神社だ。序列を超越する。日本神話の最高神で皇室の祖先神、天照大神を祀り、その神霊が宿るご神体は皇位のしるしの「三種の神器」の中でも特に尊い八咫鏡(やたのかがみ)のご本体だ。古代以来、厚く崇敬されてきた。

 今も昭和天皇の4女、池田厚子様が祭主(さいしゅ、神職の長)を務め、毎年3回、大切な祭りに天皇のお使いの勅使が差遣される。20年に1度神殿などを建て替える式年遷宮が7世紀から戦国時代の中断を乗り越えて続けられ、62回目にあたる平成25年には1400万人以上もつめかけた。神社の頂点だ。

 他にも勅使を迎える神社が16社ある。勅使は天皇からの供え物を献じ、ご祭文を読み上げる。皇居ではその時間帯、天皇が「お慎み」になる。これらの神社を勅祭社と呼ぶ。特別の待遇をうけるので一般の神社より重い地位と見られる。それぞれ古い由緒や皇室との縁が深い神社ばかりだ。

 16社中、宇佐神宮と香椎宮は10年ごと、鹿島神宮、香取神宮は6年ごと、それら以外は毎年、勅使が差遣され、戦没者を祀る靖国神社だけは春秋2度の大祭に勅使を迎える。

 勅祭社の中の熱田神宮は三種の神器の1つ草薙剣のご本体を祀る。皇居の御所にあるご分身は源平合戦で1度壇ノ浦に沈んだが、後に伊勢神宮から献じられた宝剣が伝わった。熱田神宮のご神体こそ神話に由来する神器そのもの。

関連記事

トピックス

天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン