「間違った法律が人を不幸にしている」

 そう確信したA子さんは2011年8月、今度は「女性の再婚禁止期間」を憲法違反として提訴した。その結果、最高裁の大法廷では15人の裁判官全員が「違憲」の判断を下す完全勝訴をつかみ取った。

「300日問題の裁判から実に7年ですからね…。“私の気持ちをやっと司法が受け止めてくれた”と、A子さんは感無量の様子でした」(作花弁護士)

 今回の判決を受けて、法務省は離婚後100日を超えていれば婚姻届を受理するよう全国の自治体に通知。12月19日、静岡市駿河区役所は、前夫と離婚して約5か月経った女性の婚姻届を受理した。

「一日も早く法改定を進めてほしい」

 そんなA子さんの願い通り、来年の通常国会で民法733条の改正案が提出される見込みだ。長く苦しい裁判を終えたA子さんだが、すでに次の目標を見据えている。

「“100日という期間も撤廃しよう”と話しています。現在は女性が妊娠しているかどうか、科学的な検査ですぐ判明します。再婚時に妊娠の有無を検査するルールにすれば、禁止期間自体が必要ないのです」(作花弁護士)

※女性セブン2016年1月7・14日号

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