過去に大きな失敗を体験した“しくじり先生”たちが、自分のようにならないようにと人生の教訓を伝授する、面白くてタメになる教育バラエティー『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系・毎週月曜20時~20時54分放送)。特にオリエンタルラジオや杉村太蔵氏の放送は、未だにネットで話題となっている。どのように「神回=面白すぎる回」が生まれたのか、北野貴章ディレクターに誕生秘話を聞いた。
――深夜レギュラーの初回、オリエンタルラジオさんの回は、どのように制作されたのでしょうか?
北野:オリラジさんの回は打ち合わせのときから“特殊“だったんですよ。「天狗になりすぎちゃった先生」の台本を作って2人に見せたら、中田(敦彦)さんが「ぼくからいいですか」とノート開いて。自分で授業の台本を作ってきたんです。それから、番組のときと同じ熱量でぼくらスタッフの前で授業を始めたんです。
しかも、マイルドな内容に抑えるんじゃなくて、そこまで言っていいの!?という内容で、勢いのあるものでした。実際に放送した教訓「なりたくてなる天狗はいない」「天狗には自覚症状がない」などは、中田さんが考えたものです。こちらで考えていた教科書もあったのですが、そうした内容を引き取って、一から教科書を作り直しました。
――中田さん発の部分はかなりあったんですね。
北野:そうですね。放送後、面白い回になってすごく感謝して、オリラジさんのライブを見に行ったら、2人が『しくじり先生』のことを話してたんです。2人は「あの番組、潰してやろうと思った」と言っているわけです。
ぼくらは、プライドが高いといわれる2人に対して「あなた、しくじってますよね」と指摘したわけですよ。しかも番組レギュラーは、若林さん(オードリー)、吉村さん(平成ノブシコブシ)で、ちょうどオリラジさんが落ち目のときに、『笑っていいとも!』などでレギュラーとして入れ替わったメンバーなんです。自分たちがどん底の時期に売れてきたメンバーの前で、しくじった話をしなきゃいけない。
それで、「今後、1回目を超えられないくらい面白い授業をやってやろう!」と。「俺以上に面白い先生なんか現れねえぞ。番組、潰してやろう」というモチベーションで授業をしてくれたんです。きっかけは負なんだけど、突き抜けてポジティブなんです。だから、あれだけ熱のある、神回といわれる、すごい授業になったと思います。
その後にダレノガレ明美さん、獣神サンダー・ライガーさんの授業を見たそうで、「勝った!」ってライブで言ってましたから。だからぼくは、「オリラジの回を超えてやる!」と意気込んで、杉村太蔵さんの回を作ったんですよ。
――杉村さんの回では、面白くするためにどんな工夫をしましたか?