国内

インフル対策 体操、鼻呼吸、乳酸菌で「唾液力」を上げる

口のまわりと舌の筋肉を一緒に鍛える『あいうべ体操』

 いよいよ本格的なインフルエンザシーズンに突入。毎年多くの感染者を出しているが、予防接種などのワクチンに頼る前に、もっと手軽で効果的にインフルエンザと闘う方法があった。それは“唾液のはたらき”を高めること。そこで、意外と知らない唾液の力を探った。

 毎年、この時期になると話題に上るインフルエンザ。しかし同じ家庭内、職場でも、かかる人とかからない人がいるのはなぜだろう。体の治癒力について詳しいみらいクリニック院長・今井一彰さんに聞いた。

「大きな原因の一つは免疫力の違いです。インフルエンザウイルスなどの病原微生物が体内に入ってきたとき、免疫は直接、病原菌などを攻撃したり、それらに対抗する“抗体”を作ることで、体を感染から守ってくれています。

 抗体の中でも多く作られるIgA抗体は、涙や唾液、のど内部などの粘膜を覆う粘液の中に分泌され、最前線で病原微生物の感染を防御しています。つまり唾液などのはたらき如何で、発症するかどうかが決まるといってもよいほどです。ちなみにIgA抗体は、母乳にも豊富に含まれ、生まれたばかりの赤ちゃんは母乳を飲むことで、一定期間、病気からしっかりと守られているのです」(今井さん、以下「」内同)

 よく使われる“免疫力”という言葉。その重要なポイントを握っているのが“唾液”というのは驚きだ。

「普段、あまり意識されませんが、唾液は健康を守るために大変、重要な役割を果たしています。ウイルス感染を防ぐほかにも、虫歯や歯周病菌の繁殖を防いだり、食べ物の消化吸収を助けるはたらきもあります」

 しかしこの重要な唾液は、加齢やストレス、自律神経の乱れなど、さまざまな原因で分泌量が減ってしまうといわれている。またさらに今井さんは、近年増えている“口呼吸によるドライマウス”が、唾液の分泌量の減少や抗菌力の低下を招いているとも指摘する。

「唾液は口を閉じていれば、自然に分泌されるものです。それが最近、口を開いたままで呼吸する“口呼吸”の人が増え、病原菌が口から侵入しやすくなることに加えて、口の中が乾いて唾液が減り、抗体の分泌減少にもつながっていることが考えられます。結果、風邪やインフルエンザほか、いろいろな病気にもかかりやすくなるのです。

 人は本来、口を閉じ、鼻で呼吸することで、唾液の分泌をはじめとする体の防御機能(免疫)が万全にはたらき、健康を維持します。唾液をしっかり分泌させ、その力を発揮させるためにも、まずは鼻呼吸を習慣づけて、口が開きっぱなしにならないように意識しましょう」

 では、口が開きっぱなしになる原因は何なのだろう。

「舌の筋力の低下が考えられます。舌も舌筋と呼ばれる筋肉で、口を閉じると、舌が上あごにぴたりとつき、下あごを引き上げる形になるのが本来。ところが舌筋が衰えると、無意識に舌がだらりと下がり、下あごを支えきれずに開いてしまうのです。口を閉じたとき、舌先が歯の裏に当たるなら舌筋を使っていない証拠。舌に歯形がつく人は、舌筋が衰え口呼吸になっている可能性大です」

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン