コラム

東芝問題など日本企業へ不信感あるが海外投資家が買う銘柄

 2015年夏、中国発の株暴落で海外のヘッジファンドはそれまで好調なパフォーマンスだった日本株を売却し、結果、日本株は突出した下落を記録した。その後、外国人投資家は日本株にたいしてどのようなスタンスで臨んでいるのか。その動向について詳しいパルナッソス・インベストメント・ストラテジーズ代表取締役の宮島秀直氏が解説する。

 * * *
 ヘッジファンド勢は、ここに来て、売却した日本株の買い戻しを、少しずつ始めている。 そして、年初来、1兆円以上の日本株を買っていた、外国人投資家の今年のもう一方の主役である『グローバル・サステイナビリティ・ファンド』(日本の「企業価値向上ファンド」に相当する)の買いが、再開されたようだ。

 これまで、外国人投資家が日本株を買ってきた大きな理由である、ここ1~2年続いた日本企業の株主還元に対する積極的な姿勢が、今年に入ってやや後退していた。自社株買いを実施する企業が順調には増加せず、ROE(株主資本利益率)の上昇も頭打ちが鮮明となっていたのである。

 加えて、コーポレートガバナンスにおいても、日本企業に対する評価は厳しくなっている。東芝の不正会計問題に続いて、旭化成の関連会社の不祥事が起き、日本企業への不信感がくすぶっているのだ。

 そのため、『グローバル・サステイナビリティ・ファンド』は、しばらく様子見スタンスをとっていたのだが、11 月に入って、徐々にではあるが動き始めている。

 具体的には、村田製作所、ヤマハ、日東電工、日本電産、大和ハウス、シスメックス、キーエンスといった銘柄を買っているのだ。

 これらの企業は、ROA(総資産利益率)が世界平均を大きく上回り、DE比率(総負債/普通株資本総額)が50%を割っているという、外国人投資家が好んで投資する優良株群。それが、直近の決算で、もともと高かったROEの上昇傾向が確認され、今後、株主還元の積極化が期待できる、というわけである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
「全車線に破片が…」広末涼子逮捕の裏で起きていた新東名の異様な光景「3kmが40分の大渋滞」【パニック状態で傷害の現行犯】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
【広末涼子容疑者が逮捕、活動自粛発表】「とってもとっても大スキよ…」台湾フェスで歌声披露して喝采浴びたばかりなのに… 看護師女性に蹴り、傷害容疑
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン