ビジネス

「ふるさと納税」「ふるさと割」 根本的に間違いだと大前氏

 年末になり、その一年の税金のことが気になる季節になった。今年は、信販会社なども「ふるさと納税」をおすすめしてくる。経営コンサルタントの大前研一氏が、ふるさと納税や「ふるさと割」がいかに間違っているのかについて解説する。

 * * *
「ふるさと納税」や「ふるさと割」が話題になり、テレビ、新聞、雑誌、ネットで賢い利用法などが紹介されている。

 簡単に説明すると、「ふるさと納税」は、自分が選んだ自治体に寄付を行なった場合に寄付額のうち2000円を超える部分について所得税と住民税から原則として全額が控除される制度(上限あり)で、特産物が返礼品として用意されている自治体もある。

「ふるさと割」は、地方創生事業の1つとして2014年度補正予算に盛り込まれた「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を利用して自治体が発売するプレミアム付きの旅行券や商品券で、対象県に旅行する宿泊プラン料金から助成が受けられたり、対象市区町村で買い物をする時に一定割合を上乗せした金額分が使えたりするという。発売してすぐに完売した自治体も多く、幹部らのまとめ買いが続出して問題になったほど人気を集めている。

 しかし、これらのほかに地方の話題といえば「ゆるキャラ」と「B級グルメ」くらいである。政府は地方創生だの地域活性化だのと声高に叫んでいるが、まるで学芸会だ。地方創生や地方活性化とはかけ離れた無駄遣いを奨励し、税金を絡ませて地方の衰退をますます加速している。

 これからは地方が自力で生き延びていけるようにしなければならないのに、「ふるさと納税」や「ふるさと割」は、衰弱している地方を延命するためにカンフル剤を投与してやるという発想だ。これは根本的に間違っている。

関連記事

トピックス

2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
警視庁が押収した車両=9日、東京都江東区(時事通信フォト)
《”アルヴェル”が人気》盗難車のナンバープレート付け替えで整備会社の社長逮捕 違法な「ニコイチ」高級改造車を買い求める人たちの事情
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン