それから言うまでもないことですが、カメラを向けられたときは必ず笑うこと。私自身は、口を「ア」と「エ」の音の間くらいのかたちにして、ちょっと大きめに開けるよう意識しています。
何の表情もつけない“真顔”は、口角が下がって怒ったように写りますから、絶対に避けてくださいね。
たまたまにしても、ムスッとして写ったあなたの顔を見て、「この人、よほど悲しい人生を送っているのかしら」なんて後から思われたら、悔しいじゃないですか。折角、近くにいらした福の神さまも、仏頂面では逃げていってしまいます。
それに笑ったほうが、実は口元のほうれい線も気にならないんですよ。多少、目尻に小じわが集まったところで、笑顔に勝るものはありません。それからもうひとつ。極端なことを言えば、私は遺影を撮るような気持ちでレンズを見つめています。
お世話になったかたがたを思い浮かべながら、「皆さん、今まで本当にありがとう。私は幸せでした」と、心の中でつぶやきながら笑顔を作るんです。その気持ちはちゃんと写真に写りますよ。
そうそう。遺影といえば、最近、お仕事で撮影していただいた写真を見て「これを遺影にしたい」と思うことがあります。だけど、もし長生きしたら、この写真では「どんだけ前のお写真?」と参列者から苦笑されるかも、とか。
周囲の人に話すと、「さすがに遺影はまだ早いんじゃない?」と呆れられますが、こういう話ができるのも、中高年の特権ですよね。
オバさん、万歳!
※女性セブン2016年1月7・14日号