「あれは結婚3年目。当時専業主婦になった妻は30才で子供はまだいませんでした。新婚気分が抜けたことも相まって、会社から帰ってくると一目散にゲームばかりしているぼくがいけなかったんでしょうね…」
サービス業のヒロシ(45才・仮名)が異変に気づいたのは、男性には珍しく“ささいな勘”。ある夜、妻(45才)の布団に入っていくと、やんわりと拒否されたことだった。
「それから妻の言動に気をつけていると、ちょっとした態度によそよそしさを感じる日もあれば、昼間にあった出来事をやけに大げさにしゃべったり。長年のつきあいだから感じるというか。調査をしようと思ったのは、たまたま知人が探偵の仕事をしていたから、軽い気持ちでした。それに、実は浮気までは絶対ないだろうと思っていたので、自分の知らない妻の一面が知れるかな、という思いもあった」(ヒロシ)
この時ヒロシが想定していたのは、妻が“ママ友”とか“高校の同級生(同性)”と言っている昼間のランチのグループに男性が混ざっている、というくらいのオチだった。実際最初の結果報告は想定通り。ただ探偵は「念のためにあと2回だけやりましょう。今度はちょっと違う観点で見てみます」と提案。ヒロシは「逆につまらなくて申し訳ないね」と余裕の構えでOKした。
そして1週間後。最終報告を聞くために、会社帰りに最寄り駅の居酒屋の個室で探偵と待ち合わせた。
「部屋に入って探偵が見せた写真にビックリしました。そこには、黒っぽいステーションワゴン車の助手席を開けて乗り込もうとしている女性の姿が写っていて、夜の写真なので鮮明ではありませんが、間違いなく妻だった」(ヒロシ)
それは昨晩の写真だったが、ヒロシが帰宅してから妻はずっと家にいた。就寝は12時近くだったが、その後に妻が家を出た気配はなかった。いったいいつのものなのか?
「夜9時過ぎですよ。何されていました?」
探偵が言う時間、ヒロシはゲームをやっていた。そして妻は「明日の朝のパンと牛乳を忘れたから」と駅前のスーパーへ買い物に行った。でも、たかだか20分くらいだったはず…。
「いえ、正確には48分です。短くもないですが、長くもないですよね。この間に奥さんはワゴン車の男性と川沿いの暗がりに駐車した車の中で…。行為そのものを確認したわけではありませんが、2人が男女の関係である可能性は極めて高いです。そして、この相手との同じ行動は1週間で2回目なんです」(探偵)
そんな短い時間で…。そして「もう1回」はいつだったのか?