勝谷:それは読者や視聴者が張り合いがないだけで、そんなことは知ったことかってことですよね。私は静かぁにこうやって話をして、穏やかにお金を少しずつ集めて老後に備えようかなと思ってるんですよ。
中川:そうなんですねえ。
勝谷:それにねえ、今となっては『週刊新潮』も『新潮45』も私には原稿を依頼してこないから(笑い)。でも、中川淳一郎先生は、『週刊新潮』に連載しておられるし、『新潮45』にもいつもと同じような文章を書いていらっしゃる!
中川:コノヤロウとかバカとか、そんな文章ですね。
勝谷:いやいや、それも芸ですからね(笑い)。でも、本当に素晴らしい。売れっ子ですね!
中川:そんなことはないんですよ…。
勝谷:今年は(中川淳一郎が)売れた年じゃないんですか? だんだんいやらしい話になってきちゃった(笑い)。
中川:今までは基本的にネットの話を書いてくれっていう依頼がほとんどだったんですけど、この前ネットとは全然関係ない節約の話を書いてくれっていう依頼があったんですよ。これは本当に嬉しかったですね。勝谷さんは、専門外のことでも番組なんかではコメントをするじゃないですか。それって難しくないですか?
勝谷:いわゆる「教養」っていうやつが大事なんですよ。欧米だと「教養」が重要視されるんだけど、日本の場合は専門家が多い。たとえば北朝鮮の専門家なら北朝鮮のことは分かっても、「北朝鮮と中国」ってなるともう分からない。僕はいい加減な人間だから、ふわっと全部を見ていて「だいたいこんなもんかな」って分かるから、それでいろんなコメントをするんだけど、でも今のテレビはこういう僕が気に入らないんだよ。
中川:え? そうなんですか?
勝谷:だって、レギュラー降ろされたんだから。たとえば番組にはこういうもの(進行表)があるんだけど、ヘタしたらそこに何をしゃべるか具体的な内容までが書いてあるんだよ。
中川:この番組の進行表は、「フリートーク」とか「今年の5大ニュース」とかそれくらいのテーマしか書いてないですけどね。
勝谷:それならいいんだけど、スタッフのなかには、どんなことを話すのかというところまで指示したい人もいるんだよね。僕は、その場で5分前に見たニュースであっても、ちゃんとコメントできる自信がある。けれども、テレビ局にしてみたら、それは怖いわけだ。
中川:なるほど。
勝谷:僕が何を言うか分からないからね。そういう事情で、僕がしゃべる場所がどんどんなくなってきて、今こういうネットでの番組なんかで話すようになってきてるんだよね。正直、テレビでもらえるギャラはタクシー代くらいなもので大したことはないし、テレビに出れば宣伝になって著書が売れるっていうのもあるけど、今はもうそれもいいかなっていう感じだね。だから、もしも僕の意見を聞きたいのであれば、この番組を見るしかないね(笑い)。