正月早々、不倫騒動に見舞われているベッキーだが、バッシング報道も含めスキャンダルの余波は収まる気配がない。
『不倫の恋で苦しむ女たち』、『復活不倫』など男女関係の著書が多いライターの亀山早苗氏は、今回の出来事をどう見ているのか。
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スキャンダルがまったくなく、好感度の高いタレントとして知られるベッキーさん(31)が、ロックバンド「ゲスの極み乙女。」のボーカル・川谷絵音さん(27)との不倫を報じられた。正直、これほどまでの大ごとになるとは思っていなかったので、個人的には少なからず驚いている。
1月6日に会見を開いたベッキーさんは、痛々しくさえ見えた。マスコミはこぞって叩き続けている。中には「汚れたベッキー」などとタイトルをつけてネットで記事を配信しているところもあり、いくらなんでも、そういう言い方はないだろうと、その無情な言葉の選択に腹が立ってきてしまった。10社あったCMも減少しそうではある。
だが、一般的には比較的、冷めた反応が多い。いわく「事務所の力が弱かった」「スポンサー対応としては、あの会見もしかたがない」などなど。一般人は、すでにタレントと事務所とスポンサーのありようを把握しているのである。
不倫の取材を続けて、17年になる。携帯電話やスマホというツールがあることによって、不倫のありようは大きく変わった。
今回もLINEでのふたりのやりとりがスクリーンショットされ、公開されている。男性側のスマホを撮影したもののようだ。周りの男性たちからは、「危ないなあ、気をつけよう」とつぶやく声しきり。自分に何らかの関係がある番号をパスワードにしている人が多いため、配偶者としては、よく考えれば案外簡単にロックを解除できるものなのだ、実は。
不倫は、どの立場になるかによって見方が変わってくる。一般論ではあるが、男性側になれば、「すでに妻との関係は破綻しているところに恋が始まった」のかもしれないし、女性側にすれば「最初は結婚していると知らなかった。だが知ったあとも好きだったから別れることはできなかった」可能性もある。妻から見た場合だけが、「裏切り」なのである。
不倫は犯罪ではない。民法第770条には、「夫婦の一方は以下の場合に限り、離婚の訴えを提起することができる」とあり、そのひとつに「配偶者に不貞な行為があったとき」という項目がある。つまり、不倫を知って断罪できるのは配偶者だけ。はたがとやかく言うことではあるまい。
「糟糠の妻を裏切った」として、川谷さんも「世間」から非難されるのだろうが、「世間」は彼を非難する資格などないのだ。お互いに仕事上、「自らが商品」なだけに「世間」を気にするのはわかるが、本当は「そんなことはどうでもいい」のである。