放送開始から14週連続で週間平均視聴率20%超え(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録している、NHK連続テレビ小説『あさが来た』。いよいよ後編に突入し、物語の展開も見逃せない。
前編は、バイタリティーあふれる主人公・あさが、豪商の加野屋に嫁ぎ、周囲を説得して、炭坑経営に乗り出す。経営は軌道に乗り出すが、落盤事故で炭坑は一時閉鎖することになってしまった。
その一方で、あさは、新次郎との間に長女・千代を出産。仕事と子育てを両立すべく、さまざまな人の助けを借りながら奮闘していく──。
ヒロインのあさはもちろん、ほかのキャラクターもとても魅力的だ。前編で気になったあの人、この人はどうなるのか? そして最終回は…。『あさが来た』を誰よりも愛し、誰よりも知っているエグゼクティブプロデューサー・佐野元彦さんが女性セブンだけに明かしてくれた後編の見どころ。びっくりぽんです!
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このドラマは情の物語です。夫婦、親子、姉妹…そうした人たちの情は時代が移っても変わらない。後編も根本の部分は前編と同じです。ですから、後編では、あさがようやく銀行を設立しますが、難しい話にはしません。
てんやわんやが起こって、あさが人を育てる大切さに気づく。そして、それが大学づくりにつながっていきます。あさは洋服を着始めるし、見た目は変わっていきますけど、それでもあさはあさのままです。失敗をするし、自分に非があれば「わてが悪かっただす」と謝ります。
登場人物のキャラクターは変わりませんが、周りの環境は変わります。なかでも、千代が年頃になって、結婚を考えたとき、あさと新次郎がどういう行動を取るか。これが大きな見どころです。
また、後編には、雁助や亀助など店の人たちにスポットを当てる週を設けています。週めくりカレンダーのように、いろいろ飽きずに楽しんでいただけるような作りにしています。
■浅子の姉は20代半ばで亡くなるけれども
広岡浅子の姉は史実では、20代半ばで亡くなっていますが、はつは最後まで物語に登場します。当初からその設定でした。
あさが太陽ならば、はつは月です。あさのように成功していく女性だけが、明治を生き抜いてきたわけではありません。地に足が着いた名も知れぬ人がたくさんいたはずです。はつはその人たちを代表した人間です。だから農家にしました。
これからも、はつにはいろいろな苦難が起こります。それでもしっかり生き続ける。最後は幸せになると思います。
■五代さんは死にます。泣けます
本当は生きていてもらいたいんですが…。時代を走り抜けてきた人だけに体に無理が来ていたし、敵も多く作ってきたんです。最期は劇的です。泣けます。
ほとんどの登場人物は、実在のモデルと名前を変えていますが、五代は、そのまんまです。実際に五代が海外に行っていた時期には大阪にいることのないようにするなど、史実通りに作っています。史実に忠実でありたいから、実際に亡くなった年月にドラマでも亡くなります(1885年9月、享年49)。
五代は、まもなく、事件に巻き込まれます。あさや新次郎は五代を盛り立てようとし、彼はそれに応えます。このときの五代演じるディーン・フジオカさんの演技が、ワールドワイドな感じで素晴らしいです。ぜひお楽しみください。