最近人気の料理研究家・杵島(きじま)直美さん(62才)ときじまりゅうたさん(35才)親子。祖母の代から家庭の味を引き継ぐ親子でも、味つけは違うもの。時代で変化する料理について、親子で語り合った。
母:私たち親子は、ばあば(村上昭子さん)から料理の基礎を受け継いでいるから基本的な作り方は同じよね。でも、それぞれ好みがあるから仕上がりがずいぶん違うというのは、今回の発見だったわ。
息子:時代によって、調理法も変わっていくしね。例えば肉じゃがは、以前はいかに煮崩れしないかが大事だったけど、今では「ちょっと崩れている方がおいしい、好き」という人も多い。ぼくも自分で作るなら、汁少なめ、ちょっと崩れが好きかな。
母:以前は「煮崩れないようにじゃがいもは面取りしましょう」って、教えていたのにね(笑い)。私は“昭和の人間”だから料理を作るときの手間は惜しまないけど、ポテトサラダのじゃがいもは電子レンジを利用するのが一番だと思う。
息子:蒸し器を使うよりずっと手軽だし、皮ごと加熱できるから、ホクホクでおいしく仕上がるよね。最近、ポテトサラダが人気で色んなレシピが出てるけど、その陰に電子レンジの存在は欠かせないと思う。
母:私は最近、チャック付きの保存袋が必需品なの。私くらいの年になると、作ることに手間をかけるのは苦にならないんだけど、洗いものが増えるのは億劫で…。下ごしらえや、保存など便利に活用してます。袋の中で食材を混ぜれば、時短にもなるわ。
息子:変化した調理法といえば、今回も作った「卵かけご飯を炒める、パラパラ炒飯」。あの調理法の登場で、誰でも家庭でパラパラ炒飯が作れるようになった。
母:家庭の火力とフライパンじゃ、絶対パラパラにならないからね。でも、りゅうたが子供の頃、お腹が空いた時のおやつといえば具だくさんの五目炒飯だったのよ。
息子:あのちょっとレトロな焼き飯風も、それはそれでおいしいよね。やっぱり時々食べたくなる(笑い)。