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角居勝彦調教師 冬場のダート戦が面白くなる妙味を解説

 ダートのレースが多くなる冬場はいまひとつ馬券購入の意欲がわかないというファンも多い。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、冬のダート戦ならではの妙味についてお届けする。

 * * *
 昨年の根岸Sはエアハリファ(三浦皇成騎乗)が完勝。2011年のデビュー以来ずっとダートを走らせて、待望の重賞制覇となりました。

 角居厩舎には芝の中・長距離向きの馬が多いのですが、ダート馬も頑張っています。ダート向きの馬は血統に加えて体型が重要です。筋肉質でコンパクトに四角くて幅がある。アメリカ産馬エアハリファはスピードも豊かで、その特徴は冬のダートで存分に活かすことができます。

 さらに冬のダートで絶対に見逃せない要件は馬場の状態です。この時期、馬場が凍らないように凍結防止剤を撒くことがあります。気温(地温?)によって量を調整するようですが、これを入れると砂に粘りが出る。すると馬場がしまって硬くなりスピードのある馬が有利になる。道中脚をためて、切れ味よくスピードで抜け出すというウチの流儀に合うのです。

 この理屈は芝向きの馬にも言えます。芝のレースが減る冬の競馬は工夫が必要です。冬の硬い芝を走らせるよりもダートを使ったほうがいい場合もある。未勝利戦などは5着に入らないと次のレースの優先出走権が得られません。いつまでも使えないよりはダートで掲示板に載れば、次は狙ったレースを使える……という考え方もあります。

 ダートと比べて芝は軽いので、変速ギアの多い馬が有利です。レース後のジョッキーのコメントに、「ギアが一段上がった」というのがありますね。勝負どころで加速できたということです。ギアが入る瞬間、馬体は微妙に沈み込む。そのとき路盤が柔らかいと加速がつきません。硬い路盤が変速ギアを活かすのです。だから芝向きの馬を砂で走らせる妙味があります。

 ただし冬限定。ずっとダートを走っていると、どうしても本来のスピードが落ちていくんですね。

 エアハリファもスピードのギアを持っていて、根岸Sでは最高の形で結実しました。これまでで19戦8勝2着6回で掲示板を外したのは2回だけです。

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