ビジネス

クールジャパン 誰かから「クール」と呼ばれる分にはいい

クールジャパンの象徴の一人、きゃりーぱみゅぱみゅ(中央)

 ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で、1月15日から6月26日までの期間限定で、日本の漫画やゲームなどのアトラクションを集めた「ユニバーサル・クール・ジャパン」がスタート。昨年に続いての開催で、今年は歌手・きゃりーぱみゅぱみゅのアトラクションも登場した。

「ユニバーサル・クール・ジャパン」では、アニメやゲームなど、日本が生み出し、世界的にも評価の高いエンターテインメントの世界観をUSJが現実のものへと再現。日本が誇るエンターテインメント・ブランドを世界に発信し、日本の魅力を再発見するイベントと位置づける。

『きゃりーぱみゅぱみゅ XRライド』は、VR対応ゴーグルを装着してジェットコースターに乗り、きゃりーぱみゅぱみゅの“KAWAII”世界観を 360度楽しめるというアトラクション。「XRライド」とは、VRを超越し、重力感覚などテーマパークならではの刺激とシンクロさせた「超体感ライド」だ。

 USJといえば、ハリウッドのイメージが強いが、今回の企画では『進撃の巨人・ザ・リアル4-D』『エヴァンゲリオン・ザ・リアル 4-D: 2.0』『モンスターハンター・ザ・リアル』『バイオハザード・ザ・エスケープ 2』など、日本発のコンテンツを元にしたものも登場。

 1月14 日に行われたプレスプレビューには、 9か国34 媒体の海外メディアも取材に来た。園内には海外からの客も多く、きゃりーぱみゅぱみゅのアトラクションで配られたゴーグル装着手順には英語のほか中国語などの対応もみられた。またクルーの一人は「韓国語を勉強中」だと明かしていた。

 このように、民間が「クールジャパン」を実践する動きを見せるほか、政府も積極的に取り組んでいる。経済産業省はHPにて「政府では、クールジャパンの推進として関係府省連携のもと『日本の魅力』を海外に発信しています。経済産業省でも、コンテンツ・ファッション・デザイン・観光サービスなどを中心に海外で人気の高い商材を国内外に発信していきます」としたうえで、クールジャパン関連の詳細を記した資料を公開中だ。

 この「クールジャパン」が盛り上がりを見せているが、コラムニスト・小田嶋隆さんは冷静な分析を行う。

「個人的に『クールジャパン』という言葉は、キャッチフレーズとしては、悪いとは思いません。ただし、『身内で言う分には』という注釈つきです。むしろ、この言葉はこちらからアピールする分には逆効果ではないでしょうか。

『クール』という言葉には、『アピールしない』という意味も含まれています。クールだよねと言われるには、『自分から売り込んではいけない』というのも一つの条件でしょう。『クールジャパン』と言ってしまうことがクールでないのですね。

 ただし、考え方自体は正しいと思うので、言葉自体は日本をアピールするキャッチコピーを別の言い方で作ればいい。マーベラス(素晴らしい・驚きの)ジャパンとか、トリフィック(すごい)ジャパンはどうでしょうか。マーベラスとかトリフィックであれば、自分で言うことの自画自賛感のようなものが薄れる。とにかく『クール』を自分で言うのは『クール』ではなく、自縄自縛になってしまいます」
 
 冒頭で登場したUSJは「クールジャパン」のイベントを行う意義をこう語る。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン