高齢化が進んでいるとはいえ、元気な高齢者が多いのも事実。おじいちゃんおばあちゃんが、孫の面倒を見てくれるということで、助かるというパパママ世代も多いが、一方で「孫育て」に困っているという声も。
本誌は、12才以下の子供が数か月に1回以上、祖父母に会うことがあるという、20~49才の既婚女性200人を対象に「子育てに関するアンケート」(2016年1月、カクワーズ調査)を実施。このアンケートで、52%の母親が「やめて!」と切実に訴えていたのが、祖父母による菓子やおもちゃ、小遣いの与えすぎだ。
祖父母にしてみれば、「目くじらたてるほどのこと?」と思うかもしれないが、このささいと思われる行為が孫の健康や情操教育上、悪影響を与えるきっかけとなってしまったら、どうだろう。
昨今は、3度の食事とおやつの時間を決め、ダラダラ食いを避けることが、口腔内を中性に保ち、虫歯の抑止力になるといわれる。母親学級などでも推奨され、出産前からそうした知識を身につけて子育てに臨む人も少なくない。
しかし、親がせっかく、甘い菓子を常食させないで子育てしてきたのに、それが祖父母からもらう飴玉ひとつで崩壊してしまうこともある。それまで飴を食べたことのない子供が、その後、飴を欲しがるようになるケースは少なくないという。
結果、虫歯にでもなってしまった日には、「祖父母のせいで、私の努力が水の泡!」と、根深い恨みを買ってしまいかねない。
しかし、菓子の与えすぎはぐずる子供をなだめるための“苦肉の策”という場合もあるため、祖父母を責められない面も。ただ、「甘いものは菓子である必要はない」と食育指導士、健康管理士の齊藤淑江さんは言う。
「私の知人女性が姑に子供を預けた時のこと。孫が欲しがるだけ菓子を与えるので困っていたそうですが、ふとしたことで、姑が子供の頃は、干し芋を作って食べていたと知ったのだそう。ならば、孫にもチョコや飴ではなく、干し芋を食べさせてほしいとお願いすると、姑は喜んで作り方を教えてくれたそうです」
干し芋など、手作りのヘルシーなおやつは、今の母親にはむしろ理想的。しかし、作り方を知らない人も多く、祖父母と孫で一緒に手作りすれば、体にもよく、遊びにもなっておすすめだ。