日韓合意後、海外では韓国ロビーによる「反日活動」が勢いを増している。米国の最新動向を在米ジャーナリストの高濱賛氏が報告する。
* * *
米カリフォルニア州公立高校で2017年に改訂される「歴史・社会科学」の教育カリキュラム素案(*1)が明らかになったが、そこに日本軍慰安婦に関する記述がある。
【*1:カリフォルニア州教育局が2015年春から一般公開し、現在も意見公募中。同局は2016年5月をめどに公聴会を開いて最終案をまとめ、教科書出版各社に提示する。出版社はこれを参考に執筆、編集、出版する】
カリフォルニア州といえば、アメリカでは一、二を争う“教育先進州”。そこで使われる教科書になぜ、「(日本の)慰安婦は性奴隷だ」「20世紀最大の人身売買」「数十万人の婦女子が慰安婦に連行された」などの記述がまかり通っているのか。このままだと、誤った記述が2年後には教科書に盛り込まれることになる。
背景には、米国内での慰安婦像設置運動で米世論を煽り立てた、在米韓国人ロビー活動家たちの存在がある。
リーダーはフィリス・キムという韓国系米国人女性。2007年に米下院で可決された決議121号(対日慰安婦謝罪要求決議)を受け結成された「カリフォルニア韓国系アメリカ人フォーラム」(KAFC)発起人の一人で、事実上の最高指導者である。
同州教育局の公開記録によると、キムは一般意見として「慰安婦授業」の実施に際し、【1】下院決議121号などの慰安婦関連資料を地域や学校の図書館で閲覧できるようにする、【2】元慰安婦を招いて話を聞かせ、慰安婦のドキュメンタリー映画を見せる、【3】慰安婦像・碑の設置運動を続けるKAFCのようなグループを招いて意見を聞くなどとアドバイスしている。