米やパンなど主食を減らして、肉・魚・野菜などのおかずを食べる量を増やす──信奉者を増やす「糖質制限」はどのように実践すればいいのか。数年前からブームになっている米やパン、麺などを一切食べない「炭水化物抜きダイエット」と混同されがちだが、やり方はずいぶん違うもの。
そもそも炭水化物とは「糖質」だけでなく「食物繊維」を含む分類である。
「きのこ類などに多く含まれる食物繊維は炭水化物ですが、むしろ血糖値の上昇をなだらかにするはたらきがあり、積極的に摂るべきです。また、糖質も脳や赤血球の栄養源なので、炭水化物抜きのようにゼロにするのではなく、適正量に『制限』するという考え方になります」(大森医院院長・石川みずえ氏、以下「」内同)
石川氏はまず、自分の食生活のチェックを薦める。糖質量や成分表示のラベルを参考に、自分が1日にどのくらいの糖質を摂っているのかを知ることがスタートになる。石川氏が続ける。
「脳や赤血球などの必要量を考えると糖質量は1日に70~130g程度、1食あたり20~40gに収めるのが望ましいと考えられます。これは日本人が平均して摂っている糖質量のおよそ半分ですが、自分がどれくらい適正量をオーバーしているかを知った上で、減らし方を考えましょう」
茶碗1杯のご飯の糖質量はおよそ55gなので、それだけで1食あたりの上限をオーバーする。茶碗半分程度が適量ということだ。また組み合わせにも注意が必要だ。
「白米だけを食べた場合よりも、同じ量の白米を卵や豆腐、野菜などのおかずと一緒に食べたほうが糖質の吸収が抑えられ、血糖値が上昇しないという研究結果があります。おかずを食べたほうが摂取するカロリーは増えるけど、肥満のもととなる血糖値の上昇とインスリン分泌は抑えられる。『カロリー制限』とは考え方が全く違うのです。要は、昼ご飯をおにぎりだけにしたり、お米の量が多い牛丼だけにするのは禁物なのです」