この世にはバカなことがあふれているが、建前をととのえるリアル社会では、バカがうまく隠れている。一方のネットでは、リアルと異なりバカがむき出しで存在していることが多い。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、小保方晴子氏を中心に起きたSTAP細胞騒動をめぐり、ネットで露見した「バカ」の事例を紹介する。
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世間にはバカが溢れているが、自分のことを棚に上げ、他人様をバカ扱いしても良いのかという問題がある。その場合、一切謙虚になる必要はない。あなたが不快に思うヤツのことは「バカ」呼ばわりして構わない。どうせ相手もあなたをバカだと思っているのでお互い様だ。これからネットにはびこるバカどもを隔週で紹介するが、ネットという世界は現実世界以上にバカの濃度が高まる世界である。
なにせ、正直な感情が吐露される場であり、建前だらけのリアル社会とは異なりバカはバカとしてキチンと炙り出される。
そして今、旬のバカは手記『あの日』(講談社)を発刊した「STAP細胞はありまぁ~す」で有名な小保方晴子氏を、ネット上で全面的に擁護するヤツらである。小保方氏は、同書の前書きで、彼女を支援する人々に感謝の意を示した。「小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会」というブログなどが名指しされた。
このブログは、もはや小保方信者と言ってもいい。ブログの説明にはこう書かれている。
〈小保方晴子さんへの不当な報道について抗議、糾弾するとともに、その背景、責任を追及して行こうと行動を起こしました〉
そして、2015年4月から2016年2月1日までの間に86回にわたって小保方氏を擁護するほか、マスコミも含めた批判者を糾弾し続ける。
こいつらのバカさかげんがいかんなく発揮されたのが昨年12月10日のブログ記事だ。こんなタイトルがつけられた。
〈小保方晴子さんの発見は真実だった! ネイチャーにマウスの体細胞が初期化して多能性を持つ「STAP現象」がアメリカの研究者により発表されました。〉
あのよ…、んなわけねぇだろ。もし、本当にあったんだったら彼女の名誉は回復され、現在彼女は数々の名誉毀損訴訟を起こして訴訟成金になれるレベルであり、ポエム手記なんて出してる場合じゃねぇ。