大切なにゃんこ&わんこに突然、死の危険が訪れたら――。気が動転し、判断が鈍るのは当然のこと。愛すればこそ、元気なうちから準備が大切だ。まず、8才すぎたら、年2回は健康診断を受けたほうがいい。
猫や犬の8才は、人間の48~50才にあたる。この年齢になると人間でも不調が表れてくるように、動物も病気になりやすくなり、しかも進行が早い。相模原ブリモ動物病院院長の今井巡さんはこう語る。
「猫も犬も死因のトップはがん。がんは早期発見・早期治療が大切です。そのためにも8才を過ぎたら年2回は健康診断を受けてください」
また、昨今のペットは太らせすぎる傾向が。肥満は関節痛や心臓疾患の原因にもなり、命を縮めることも。特に不妊・去勢手術を受けた子は太りやすいので、おやつや人間の食べ物を与えすぎないなど、体重管理を心がけて。
健康診断の重要性は、犬猫の死因上位を見ても明らか。日本アニマル倶楽部調べによると、犬猫とも死因1位はがん。続いて、猫は2位腎不全、3位猫伝染性腹膜炎と続く。犬の死因の2位は心臓病、3位は腎不全と続いていく。大切なペットを病で失わないように、こまめな健康診断を行っていきたい。
また、考えたくはないが、ペットが余命宣告をされてしまったらどうしたらいいのか。猫や犬は痛みを無言でがまんする。飼い主は彼らがどうしてほしいのかわからないため、どこまで治療すべきか決断は難しいところだが、しっかりと話し合わないと、後悔からペットロスになる可能性もある。
「高齢になるほど手術のリスクは高まります。それでも完治を目指してやれることは全部やる、完治ではなく痛みを和らげる治療をするなど、飼い主様が決めた答えが正解とも言えます。どこまで手間とお金をかけるか、犬猫の年齢が平均寿命に近くなったら、家族で話し合って」(今井さん)