「ここ2年くらいは、カップラーメンを食べています。朝・昼・晩と3食ほぼカップラーメンです。ドラッグストアで88円のものを買ってきて、そればかり。給料は手取りで15万円と一向にあがりません」
こう語るのは、アルバイトをしている大学生ではない。弁理士の事務所に10年勤めているという33歳の女性・Aさん。都内でひとり暮らしをしている“貧困女子”だ。
数年前から話題になっている貧困女子は、シングルマザーなどやむを得えず困窮した生活になっている女性が対象だったが、最近注目されているのは、大学を卒業して企業などで働く30代女性だ。彼女たちは、そこそこの学歴があり、職に就いているにもかかわらず、常に金欠状態なのだという。
フリーランス編集者・沢木文氏の著書『貧困女子のリアル』では、Aさんのように、リアルに困窮している30代の女性11人から、そのすさまじい現実と他人には明かせない本音を聞き出している。その中には手取り40万円の月給を手にしていても借金生活に陥っている38歳の女性・Bさんもいる。
「15万円を消費者金融やクレジットカードの返済に充て、10万円が家賃、5万円を母へ仕送り、10万円が生活費。光熱費、通信費、食費を払うとランチ分しか残りません」(Bさん)
一流企業に勤めるこの女性は、同僚との付き合いでランチの外食を断れず、毎月赤字の状態に。毎月15万円以上の返済に追われる日々を長年過ごすと、精神的にも負担が大きく、摂食障害になってしまったという。
「週に2万~3万円分のジャンクフードを買い込んで、食べては吐くの繰り返し。これをしていないと、心の均衡が保てないんです」(Bさん)