「三菱最強伝説」と見出しを打った『週刊ダイヤモンド』(2016年1月30日号)が話題となった。日本のみならず、世界に轟く「三菱」の強さを様々な角度から分析したものだ。
そして、世界一の企業グループは、総従業員数220万人のウォルマートでも、世界のエネルギー資源を牛耳るロイヤル・ダッチ・シェルでもない。日本の三菱グループである。
有価証券報告書を元に集計した売上高(※注)は三菱グループ全体で58兆円。これは、米『フォーチュン』誌の「Fortune Global 500」で世界1位とされたウォルマートの売上高約53兆円を上回る数字だ。国内に目を転じてもライバルの三井グループは約47兆円で4位、住友グループが約35兆円で10位だから、「三大財閥」のなかでもその強さは際立つ。
【※注/有価証券報告書を元に各グループの主要企業を集計。ただし、トヨタ自動車は三井グループのオブザーバー企業のため除いた、など一部例外がある】
各業種別でも、三菱グループの企業は大きな存在感を見せている。商社の純利益では三菱商事は4005億円で、2位の三井物産に約1000億円の差をつける。ほか、総合重機の売上高では三菱重工業がトップ。この2社に三菱東京UFJ銀行を加えた3社は三菱グループの「御三家」と呼ばれる。
石油、化学、生命保険、損害保険、電機、不動産、飲料でも「三菱」がトップ3に名を連ねる。それらの中には「キリンホールディングス(HD)」や「東京海上日動HD」、「明治安田生命保険」といった、三菱の名を冠していないグループ企業がある。